2022年8月23日火曜日

電力需給逼迫のカラクリを解明します。政府の犯罪です。JERAの石油火力発電を廃止させてはいけません。

 まず、5月頃から、夏よりも冬の方が需給逼迫が厳しく大変だと騒ぐ根拠になっていた東電管内の来年1月のマイナス0.6%の予備率が、今どうなっているかを説明します。マイナス0.6%は、いつの間にか、1.5%に、更に、9月予想時点で安全予備率3%を超えて4.1%以上に上がっています。予備率上昇の要因は、福島県沖地震で止まっていた新地火力1号機(福島県、石炭、100万kw)が10月末に、同じく2号機(石炭、100万kw)が1月中旬に復帰すること、新設火力の試運転のkwhが1月に使えること。2月に稼働開始予定の姉崎火力1号機(千葉県、LNG、65万kw)、4月に稼働開始予定の姉崎火力2号機(千葉県、LNG、65万kw) 6月に稼働開始予定の横須賀火力1号機(神奈川県、石炭、65万kw) 等です。7月と8月に急遽、稼働した姉崎火力5号機(千葉県、LNG、60万kw)と知多火力5号機(愛知県、LNG、70万kw)をまた、動かすことも可能です。(予備率6%以上に上がる)。

 JERAは採算が悪化したという理由から、15基有った石油火力発電の全てを約5年かけて2020年4月までに計画停止しました。1,000万kw、原発10基分です。計画停止ということは、将来の再稼働に備えて、廃止にはしないで、メインテナンスを続けるということです。このことは、JERAにも確認しました。今年3月に1回、6月に2回確認して、纏めると「これらはメインテナンスを続けており、確かに古いので、稼働まで1、2ヶ月から半年、掛かるものもあるが再稼働出来る。再稼働するしないは、東電(東電パワーグリッド)から電源別に石油火力電気の注文が予約も含めて有るかどうかに依る。今は電力会社間でLNGの取り合いになっているのでLNGから動かしたい。東電からの注文はLNGと石炭火力電気だけで、計画停止してから来冬まで、石油火力電気の注文は無い。東電管内の予備率にも入っていない。」と言っていました。15機のうち、今年3月に大井火力の3機を廃止したので、今、12機、900万kw、予備率にして15%(平均的な石油火力60万kw1機が東電管内の予備率1%に相当)です。

 大事なことは、動かせる火力発電でも、注文を出して動かそうとしない限り、予備率の供給力に上がって来ないということです。3.11直後に有って、しばらく無かった需給逼迫が、計画停止した2020年度の冬から続く夏、冬と繰り返し起こるようになりました。政府は、6月28日の朝日新聞に、JERAの15機の石油火力発電1,000万kwは2020年度までに無くなったと報道させています。

 LNGと石炭火力だけで安全予備率が確保できるなら、JERAに石油火力電気の注文を出さず予備率にも入らないことは、有っていいでしょう。しかし、JERAに石油火力電気の注文を出さない予備率が低いからと言って需給逼迫を言うなら、他に15%程の予備力を隠しているのだから、不正です。その需給逼迫をもって原発の再稼働が必要と言うならば、それはもう、国民を誑かす国家の犯罪です。

 他の大手電力会社は石油火力発電を必要に応じ機動的に使っています。予備率がマイナスになっても使おうとしないのは東電だけです。東電の支配株主の国、即ち政府が、この犯罪をおかしていることは明らかです。政府は、これが明るみに出ることを恐れて、東海第二原発の行く末を睨みながら、JERAの石油火力を秘密裏に廃止しようとするでしょう。やらせてはいけません。廃止は、犯罪が隠蔽されるだけではありません。この石油火力は、kwh不足時のカバーと、また太陽光発電の予想外変動時のバックアップという、時間単位の「需給一致」をとる機動的調整力として、また化石エネルギーの中での多様化のために、重要だからです。







 

2022年8月5日金曜日

太陽光発電と電気自動車は、直接給電により、相促進し合う相乗効果が抜群。

電気自動車はガソリンを太陽光発電の自給エネルギーに変えてくれる。

 太陽光発電と電気自動車の両方を持つ家庭は、固定価格買取制度の10年の買取期間を過ぎれば、電気自動車に、日照時に屋根上の太陽光発電の電気を充電する。卒FITの電気は売電価格が10円/kwhぐらいで、安く設定されている系統からの15円/kwhぐらいの夜間電力よりも更に安いからだ。充電時間も短縮し、昼間、自動車を使っていない合間に十分、充電可能だからだ。その期間は、太陽光発電の耐用年数が35年くらいなので25年間も有る。走行距離と充電設備の問題は太陽光発電を持つ家庭のマイカーの場合は少ない。家庭が、太陽光発電を電気自動車に充電(自家消費)できるように太陽光発電を付けるという選択の有効性が増す。夜間電力は大手電力会社が主にベースロードの原発の夜に余る電気を安く売るものだ。

 住宅用太陽光発電に限らず、10kw以上の産業用太陽光発電も、電気自動車に直接充電するようになるだろう。固定買取価格は12円/kwhで、直接充電すれば、発電者は電気料金の半額ぐらいで売ることが出来、需要家は安く買える上、賦課金が掛からない。産業用が設置されている郊外や農村から広まるだろう。充電時間の短縮はもっと進むだろう。

 更に良いことは、太陽光発電の「デマンドレスポンス」が、全国の電気自動車が巨大な蓄電池となることで、自動的に仕組まれる。電気自動車は、日照時、太陽光発電量の多い時に充電し、曇天や雨天時、夜に放電のみする。否応無いが負担の無い「デマンドレスポンス」だ。電気自動車の方のメリットは、充電場所が増えること、動力が10円/kwhそこそこの低価格で、再エネ100%になることだ。また、災害時、停電時に電気自動車が電源車として電気を配り送り届けることが出来る。

 太陽光発電の設置場所は、山や森林を切り開かなくても、沢山有る。住宅だけでなく、建築物の屋根、壁が有り、地上設置のものでは、荒廃農地、ソーラーシェアリング等、いっぱい空いている。廃棄処分の危険性は原発に比べれば無きに等しい。かつて世界一だった国内太陽光パネルメーカーを、原発に躍起の国が潰した。国はその責任を取り復活支援をする。大規模、長距離送電の風力発電主体の再エネ利用で来たドイツに対し、日本は太陽光発電主体で来ており、地産地消し易い。電気自動車への直接給電の他に、発電所から直接、自営線で電気を近隣に配り地域一帯で自家消費のようにするなど、太陽光発電を地産地消電源どおりに生かす工夫をすれば、更なる大量導入が可能である。