2025年7月15日火曜日

特重施設が有ろうが無かろうが、6号機も7号機も再稼働してはならないが、規制される側も規制する側も特重施設の無い危険を顧みることなく前のめりな、ただ、再稼働することだけが目的の、柏崎刈羽原発6号機の再稼働を許してはいけない。

 今、東京電力は、特重施設の完成が大幅に遅れ長期停止に入る柏崎刈羽原発7号機の代わりに、6号機を再稼働し4年間運転しようとしている。しかし、ここで気を付けなくてはいけないことは、6号機も、特重施設の無い4年間の運転だということだ。6号機は、7号機と同時に、特重施設の規制が盛り込まれた新規制基準が施行された2013年の9月に、再稼働審査の申請をし、2017年12月に「原子炉設置変更許可」を受けた。つまり、再稼働の規制委審査を合格し、7号機とともに再稼働を目指してきた。その6号機が、何故今頃、特重施設完成の5年間の猶予期間を享受できるのだろうか。

 この5年間の猶予期間の起算時は、同時に、「原子炉設置変更許可」、「設計及び工事計画認可」及び「保安規定変更認可」の三つの申請を提出し、「原子炉設置変更許可」を受けた後「設計及び工事計画認可」を受けた時である。「設計及び工事計画認可」は、最初の申請に加え、工事計画の補正を後から提出、申請して規制委員会に審査され初めて認可を受ける。この「補正書」の提出時期を規制される側の随意で遅らすことにより、原子炉設置変更許可と設計及び工事計画認可の間隔を開けることが出来る。

 7号機は、2017年「原子炉設置変更許可」を受けてすぐの2018年12月に「補正書」を出して2020年10月に「設計及び工事計画認可」を受け、5年の猶予期間が開始した。6号機は、7号機よりも約5年も後の2023年9月に「補正書」を出して、2024年9月に「設計及び工事計画認可」を受け、5年の猶予期間が始まってまだ1年も経たない。6号機が「補正書」を出したのは、何故、この時期か。2023年9月は、7号機が特重施設の設置期限2025年10月に間に合わないことが報道される少し前だ。

 7号機の特重施設の完成が大きく遅れることが分かり、6号機とのリレー運転を目論み、それに沿うように6号機の「設計及び工事計画認可」を受けたわけである。規制委員会は、東京電力がそうすることを許した。東京電力と、ともに画策したのかもしれない。

 特重施設が有ろうが無かろうが、6号機も7号機も再稼働してはならないが、規制される側も規制する側も特重施設の無い危険を顧みる余裕も無いほど前のめりな、盲目的に、ただ、再稼働することだけが目的の、柏崎刈羽原発6号機の再稼働を許してはいけない。

 





2023年12月16日土曜日

「脱炭素」に原発を使ってはいけない。それには、カーボンニュートラルを遅らせることだ。福島第一原発事故の被害の惨状を、隠さず正確に世界に訴えることだ。汚染水の海洋放出を中止して、その覚悟を世界に示すことだ。

◎ 原発の安全防護第5層の「避難」を原発のコストを立てずにしていることは、おかしいことだと思います。原発があるために、根っから悪い放射能をどこまで我慢、甘受するかという「規制基準」にすぎない「安全基準」の「がまん」を、原発のコストを立てないでしていることを、おかしなことだと思います。

◎「ドローバック」とは、辞書には「欠点、不利益、障害」とありますが、以下に、この言葉を使います。原発があり、原発を使う上で、人間の効用にネガティブ、マイナスなこと全てです。原発のコストが高くないと言うのは、このドローバックをコストとしてカウントしていないか、コストになるのを先送りしているだけのことです、次の三つのことが有る限り。

一つは「放射能の影響が隠されたり、未解明なこと」

二つは「廃炉を含め、核のゴミ処分が未知なこと」

三つは地震国の日本の「原発は必ず過酷事故を起こすこと」

 この三つのことに由来するドローバックは、金額で評価し切れるものでなく、金額で評価出来るものでさえ、それが近付き、あらわれ、分かってくるにつれて、コストと電気料金は上昇の一途をたどります。

◎ そして今、その上昇する前のコストの内、止めている原発を動かした場合に増加するコストだけを原発のコストのように、消費者を錯覚もしくは印象操作しつつ、「原発は安い」、「再稼働すれば、電力会社は値上げしなくてよい」、或いは「値下げ出来る」と、原発再稼働のキャンペーンをしているわけです。原発は止まっている時も冷却を要すために掛かる膨大な維持費が、まるで無いかのように。

◎ 福島第一原発事故で停止した原発の膨大な維持費が、事故以来、目立たず問題にならなかった「からくり」を少し説明します。大手電力会社は、固定価格買取制度のもと、太陽光発電設置者が分散電源である太陽光発電を電力系統に繋ぐだけで、その電気を7、8円/kwhの安い回避可能費用で仕入れ25〜30円の電気料金で消費者に売ることが出来ます。電力系統へ接続する費用は、太陽光発電設置者が負担し、太陽光電気の大半は地産地消のため、せいぜい、電力系統の末端の配電網を流れ近隣の負荷で使われているからです。長距離の送電を要す太陽光電気も、送電線容量は十分に余っているからです。送配電施設は、長年、電気料金を支払ってきた国民の資産です。

 この太陽光電気の売り上げと仕入れの差額が、停止原発の膨大な維持費に充当されてきました。それは、アンシラリーコスト(需給一致をとるための周波数調整にかかる費用)を除いて10兆円ぐらいです。これは、太陽光発電の価値、ひいては賦課金です。

◎ 上に述べた文中の「コスト」を「危険」の文字に置き換えてもう一度読んでみると、危険は、ひそみ続けて計り知れません。「危険」のあらわれた「事故被害」は隠されたり、放ったらかしにされています。多くの危険が、これから子孫に、あらわれるばかりです。だから、「脱炭素」に原発を使ってはいけません。2050年カーボンニュートラルだけが「脱炭素」ではありません。2050年カーボンニュートラルは、中国並みに10年或いは、それ以上、遅らせることです。危険は人間だけでなく生きとし生けるもの全てに及びます。地球も生きています。

◎ 福島第一原発事故で、かくも未曾有の惨禍・被害があらわれ続け苦しんでいること、狭い地震国の海岸に54基もの原発を建ててしまい、過酷事故を再び起こすことに日々、怯えていることを、隠さず正直に正確に世界に向けて訴えることです。汚染水の海洋放出を中止して、日本の改心の覚悟を世界に示すことです。

◎ 太陽光発電は、コストが安いこと、エネルギーの自立のため、電気自動車の電源としても、拡大が必要です。設置する場所は探し、工夫すればいっぱい有ります。

 原発を必要とする理由は、何もありません、やめなくてはいけません。




2023年9月25日月曜日

東京エリアの需給逼迫は今後ない。柏崎刈原発6、7号機と東海第二原発を再稼働する必要は何も無い。

題 ; 「東京エリアの需給逼迫は今後ない。柏崎刈原発6、7号機と東海第二原発を再稼働する必要は何も無い。政府は両原発の再稼働をしたいがゆえに、意図して、今夏の「東京エリア」の「電力供給予備率」を、安全予備率ぎりぎりの3%に捏造した。」        (上)

 10月2日の朝日新聞の読者欄で、「これまで電力逼迫が原子力発電が必要な理由に使われて来た。しかし、今夏がこんな猛暑でも大丈夫なら、原子力の必要性はあるのだろうか疑問だ。本当のことを知りたい。」という神奈川県70代男性の投稿を読んだ。

 政府の行う「電力需給見通し」において、10年に1回程度の厳気象における最大電力需要の想定値を「厳気象H1需要」という。これで供給量を除し「想定の電力供給予備率」(100%を超過した部分、以下、「予備率」という)を算定する。この予備率が、需要の短期的変動(1時間以内)に備えて安全予備率3%を下回らないよう管理している。「厳気象H1需要」は夏季は「猛暑H1需要」、冬季は「厳寒H1需要」という。

 今夏の予備率は、3月に、他の9電力エリアが十分、余裕がある中で、「東京エリアのみが3.0%で安全予備率ぎりぎりなので予断を許さない」として、予備率4%を目指し(東京エリアの予備率1%は60万kw)、追加供給力を公募した。5月には、火力発電1機の応募と一部電源の補修期間の延長との相殺で3.1%だった。今夏の「猛暑H1需要」は、前年の「猛暑H1需要」に比べ179万kwhもの過去、最大の上方修正が行なわれていた。

 「東京エリア」の夏季の最大需要の過去7年の実績は、2017年 5,380 万kwh、2018年 5,653万kwh、2019年 5,543万kwh、2020年 5,604万kwh、2021年 5,665万kwh、 2022年 5,930万kwh、2023年 5,525万kwh。

 同じく、「猛暑H1需要」は、2017年 5,550万kwh、 2018年 5,637万kwh、2019年 5,671万kwh、2020年 5,653万kwh、2021年 5,660万kwh 、2022年 5,752万kwh、2023年 5,931万kwh。

 前年(2022年)の夏季の最大需要実績は5,930万kwhで、最高気温は猛暑H1想定気温を下回ったにも拘らず「猛暑H1需要」を178万kwh、前年(2021年)の実績を265万kwhと大きく上回った。この高い前年実績を1万kwhだけ乗せ、増加要因の説明も曖昧なまま、今夏の「猛暑H1需要」に用いた。そして、今夏の結果は、史上最も猛暑に拘らず、最大需要は5,525万kwhとなり、想定の「猛暑H1需要」の5,931万kwhを406万kwh、大きく下回った。2018年から2021年の4年間の5,600万kwh前後の水準に戻った。節電要請は出ていた。電力が余っている他の電力エリアからの電力融通は実施しなかった。

 次に、供給の方だが、3月の公募に応募落札した火力発電1機は、広野石油火力2号機60万kwだった。政府が隠して来た東京エリアの石油火力の1機だ。

 東電と中部電力の火力発電部門を統合したJERAの石油火力の全て15機、1,005万kwは、2020年4月までに長期計画停止に入り、その後、必要に応じ再稼働できるように維持管理を続けていたが、政府は全て無くなったものとして、ここ数年の需給逼迫時に際しても1機たりとも再稼働させなかった。この内、大井石油火力3機105万kwを2022年3月に、鹿島石油火力6機440万kwを2023年3月に廃止し、広野石油火力4機320万kwと、中部エリア(中部電力管内)の渥美石油火力2機、140万kwが残っていたが全て無いこととし、大手メディアにもそのように報道させていた。政府の原発推進計画に則ったものである。尚、このことについては、カーボンニュートラルや石油の高価格があっても、需給の必要を差し置いて石油火力を排斥してよいわけがない。カーボンニュートラルに従属する「需給」にすぎない「需給逼迫」を、全く別の大きな理由のように言うのは詐欺的である。何よりも悪いのは、太陽光発電の変動の調整力として必須の石油火力を排斥することは、太陽光発電の普及にストップをかける。

 広野石油火力2号機を募集した方法は、東電パワーグリッドが実施した「KW公募」だった。「KW公募」とは、翌日、需給逼迫が見込まれる場合のみ出力供出に備えておくというものだ。結果は、後述する太陽光発電の想定供給量を、待機するだけで増加するように働いたこの公募において非落札となった電源もあった。なのに敢えて、隠していた広野石油火力2号機を突然、使ったのは、安全予備率ぎりぎりの3%を公募後も変えないために、コントロールし易いので、背に腹は代えられなかったのだろう。

 

題 :「東京エリアの需給逼迫は今後ない。柏崎刈原発6、7号機と東海第二原発を再稼働する必要は何もない。政府は両原発の再稼働の邪魔になる「東京エリア」の13機有った石油火力を、一機を残し廃止した。太陽光発電は必要な時に発電し需給への貢献は大きい。 (下)

 そして、10月に、広野石油火力の残りの1号機(60万kw)と3号機(100万kw )、4号機(100万kw) を廃止した。廃止する直前に、JERAの石油火力は全て無くなったと、1年前の6月に報道させた朝日新聞に、「今夏は石油火力でカバーしたが、今後、高経年の石油火力は問題はある。」と報道させていた。廃止した広野石油火力の3号機、4号機の経年数は、稼働した2号機(43年)より若い、それぞれ34年、28年だ。

 GX推進法を強引に通し、女川原発2号機、島根原発2号機とともに、BWR原発再稼働の最初の関門である、東京電力の柏崎刈羽原発6,7号機と東海第二原発の再稼働を何としてでもしたい政府は、東京エリアの今夏の予備率を、意図して安全予備率ぎりぎりの3%に捏造した。予備率算定の分母は高い前年実績を当て込み、分子の供給力は隠していた広野石油火力2号機を帳尻合わせに公募した。そして、隠していた石油火力が供給力として公然となったからには両原発の再稼働の邪魔になる広野石油火力1号機と3号機、4号機、計260万kw、予備率にして4.3%を容量市場の道をも閉ざし廃止した。

「厳気象H1需要」や前年実績から実績が大きく下げたのは、前年の冬季(2023年1月)の実績5,179万kwhからだ。電気料金の値上げもあって、省エネと節電が構造的なものとして定着しつつある。10月(2023年)に発表された東京エリアの「今冬の需給見通し」(2024年1−3月)において、「厳寒H1需要」は、5,473万kwhで、前年(2023年1月)の「厳寒H1需要」を30万kwh上方修正し、前年実績(2023年1月)を何と294万kwhも上回る。広野石油火力2号機は稼働しない。予備率は4%以上となり、節電要請は出さないということだ。今までの需給逼迫も嘘であるが、今後、需給逼迫はもう無い。

 需給逼迫は今後、無いことを更に裏付けるために、太陽光発電が今夏の「東京エリア」の供給に果たした役割を以下に述べる。

 太陽光発電の予備率に算入する想定の発電量(以下、「想定供給量」という)は、電力広域的運営推進機関が、確率論的に計算した「火力等の安定電源代替価値」からエリア別、月別に毎時一定の係数を定め、設備能力に乗じて算定している。「東京エリア」の係数は、年間平均は10%で7月は23%だ。7月の「想定供給量」は414万kwh(1,800万kw x 0.23)だった。

 最大需要の時、7月18日の14時は、800万kwh発電した。同日の太陽光発電ピーク時(11時)の発電量は1,500万kwh(設備容量1,800万kwの約8割)だった。「想定供給量」を、最大需要時に386万kwh、太陽光ピーク時に1,086万kwh、上回った。太陽光発電の自家消費がピーク時に200万kwh有り、これが、供給量にも需要量にもカウントされず節電になっている。太陽光発電のピーク時の発電割合は、自家消費の節電分を含めて30%((1500+200)÷ (5,525+200))だった。

 太陽光発電の「想定供給量」を超える発電量は、揚水発電の汲み上げ、火力発電の出力低下で需給対応した。公募に落札した広野石油火力2号機は、その発電能力60万kw相当の、「想定供給量」を超える発電量を、燃料ミニマムで殆ど待機するだけで供給力として生かした。東京エリアの企業が持つ2,000万kwの自家発電を太陽光発電の調整に用いる政府からの要請は無かった。

 414万kwhの「想定供給量」が、天候が悪く減少したり無くなった時の逼迫の恐れに関しては、夏は、太陽光発電の出力が曇天や雨天で伸びない場合は気温もそれほど上がらず、電力需要も伸びない。つまり、太陽光発電の出力と電力需要の間には強い正の相関があり夏季は「想定供給量」の減少による逼迫の心配はない。冬季は、太陽光発電の出力と電力需要の間には負の相関がある。しかし、冬は夏の6割ぐらいしか発電しないことと、最大需要の時は曇天や雨天であることを織り込み、冬の「想定供給量」の係数は数%しかなく想定供給量の減少は、殆ど折り込みずみだ。「今冬の需給見通し」における「想定供給量」は、僅かに1月は59万kwh(1,800万kw の3.3%)、2月は9万kwh(1,800万kw の0.5%)だ。

 原発が夜も無駄に発電するのに対し太陽光発電は、電気の必要な時に発電し需給への貢献は大きい。太陽光発電をフルに生かし抑制を減らすことが重要になる。それには、一定発電しか出来ない原発を入れないことはもちろん、蓄電池の普及とデマンドレスポンス、の他に、電気自動車には太陽光電気を電力系統を介さず直接、給電することが肝要になる。

 電気は十分に足りている。原子力の必要性は無い。他の9電力エリアだけでなく、東京エリアも需給逼迫は今後ない柏崎刈羽原発6,7号機と東海第二原発を再稼働する必要は何も無い。















2023年9月10日日曜日

経産省が、汚染水について、「長期陸上保管は場所があれば出来て海洋放出に優る」という意味の発言をしました。


(上)                                  

 先月、7月6日、会津若松市で行われた汚染水に関する住民説明・意見交換会で、経産省が、「長期陸上保管は場所があれば出来て海洋放出に優る」という意味の発言をしました。

「陸上保管が何故出来ないか」というテーマで、質問者が次のように言いました。「場所さえ確保出来れば、長期陸上保管がベストだという思いは我々と同じですね」と。それに対し、経産省の木野参事官が「陸上保管が出来ればそれがいい。」と答えました。

 今まで、経産省は、タンク建設に3年かかるとか、浮き屋根から雨水が混入するとか些細な理由を付けて、長期陸上保管は出来ないとしてきました。それが、この回答は、「長期陸上保管は場所があれば出来て海洋放出に優る」と変わりました。

 6月に、中国から、汚染水を「安全無害というなら、何故、日本国内の湖に流さないのか」、フィジー国から「安全というなら何故、日本国内に留め置かないのか」と抗議が有りました。7月4日に出た、日本政府が頼りにしていたIAEA包括報告書では、「正当化」評価において海洋放出の全責任は日本政府に有るとされ、IAEA自らは責任回避されました。グロッシ会長が、この報告書の説明に韓国に行った時、一番怒られたことは、代替案を評価していないということでした。こうした海外の批判に経産省は追い込まれ、7月6日の会津若松市で行われた会で、陸上保管は、やりさえしたら出来て、海洋放出より良いと白状したのです。

 続いて、同じ質問者が長期陸上保管する場所として、福島第一原発に隣接する中間貯蔵施設が有ると言うと、木野参事官は、「双葉、大熊町の住民の心情を考えると、復興の妨げになるタンク建設は難しい。」と言いました。

 しかし、これは大きな間違いです。双葉、大熊町は、復興に希望が持てる状況ではないからです。


(下)

 双葉・大熊両町で3.11前、2万人近くいた人の帰還している人は、わずかに双葉町60人、大熊町426人です。100人のうち2、3人しか帰還していません。家、建物が有っても、夜、電気がついていないので人が住んでいないのが分かります。灯っている電気は街灯や道路灯ばかりです。帰還している人は高齢者ばかりで、この人達が亡くなった時、双葉、大熊町は無人化します。ばら撒かれた放射能を除染しても取り切れなくて、また、これからも核汚染を断ち切れない所に、故郷でも人間は還らないんです。原発事故で除染して戻るという処置は福島第一原発事故が初めてでした。(注1)。それは無理だと分かりました。双葉、大熊町だけでなく、強制避難した20km内の12市町村全体でも帰還率は約2割です。失敗です。ましてや、強制避難基準の20ミリシーベルトを帰還基準に当てています、

 もう元に戻ることのない故郷の土地が、これ以上、事故被害が漁業者に、全国、世界へ広がるのを食い止め、原発をやめることにも繋がる汚染水の長期陸上保管のために使われれば、双葉・大熊町民の本望ではないでしょうか。中間貯蔵施設(注2)は4300人を追い出し国が接収して、1600人の地権者と土地を売却した人々がいます。これらの人々は、除染土用に国に接収された段階で、そこに汚染水タンクが建とうが、トリチウムが減衰する期間の100年伸びようが、大した違いでなく、むしろ、同じ理由から、また、自らの意思で行えば、汚染水タンクが巨大な墓石にも似て亡くなられた人々の鎮魂の意味も持ち、本望ではないかと思います。

 食物連鎖による生物濃縮した魚介類を人間が連鎖の最後に加わり内部被曝し子々孫々に遺伝的障害を及ぼすから、汚染水を流してはいけません。領土的紛争を防ぐため、正々堂々と近隣諸国に対せなければなりません。海洋放出は、近隣諸国に喧嘩を売るようなことです。戦争に向かい易くなります。

 最後に、福島第一原発事故を小さく見せたい。廃炉の跡地を更地にし綺麗にし、事故の跡形を消したい、こうして、廃炉を難しくし、汚染水を出し続ける。汚染水を海洋放出することと福島第一原発を石棺にしないことと同じです。

(注1)スリーマイル島原発事故では、居住区域の強制避難も除染も無かった。チェルノブイリ原発事故では半径30キロ内の住民は強制退去し除染は無く今も無人のまま。

(注2)双葉町(面積5,142ha)と大熊町(面積7,871ha)の海岸部。福島第一原発を取り囲み、海岸と南北に通る国道6号の間の1,600haの土地。 福島県内の除染土と10万ベクレル以上の放射性廃棄物を持ち込み埋める。30年後(2045年)に移される県外の最終処分場の目処はついていない。      因みに、長期陸上保管に要する土地面積は70ha :   今後、1日70トンの汚染水が発生し続けるとした場合、2011年を起点に、トリチウム濃度が千分の一に減衰する期間の120年(半減期12年を10回)が、経過する間に発生する汚染水は410万トン、これを貯められる10万klタンク41基を建てられる土地面積。



2023年6月3日土曜日

女川原発2号機の運転差し止め訴訟判決は、政府や被告の範疇のことであり既に自明になっている「原発は過酷事故を起こす」ということを、今更、住民に立証責任を課す頓珍漢な判決です。GX脱炭素電源法が立証してくれているので、住民が立証する必要は有りません。


 女川原発2号機運転差し止め訴訟判決が、5月24日に却下されました。運転差し止め請求の理由は、避難計画の実効性が無いということです。仙台地裁は、原告が避難の前提となる過酷事故が起こることを立証していないという理由で、避難の実効性の有無に立ち入ることなく、差し止め請求を棄却しました。

 しかし、原発が過酷事故を起こすことは、福島第一原発事故を起こし安全神話から覚めて、自明となっています。そして、過酷事故の起こる頻度は、どのように原発を利用していくかということ、つまり、国の原子力政策に大きく従属します。「可能な限り原発依存度低減」という方針下にあっても、原発が動く限り、原子力災害対策特別措置法で過酷事故を前提として対策が講じられてきました。否、対策を強いてきました。また、エネルギー基本計画は、2,000炉年に1回(50機が40年寿命運転して1回)の過酷事故の発生確率で、1回の過酷事故の事故賠償費等の想定コスト15兆円で、計算した原発コストが他電源より安いということで、過酷事故を起こすという前提です。そして、この度、国の責務として原発を推進するという原子力利用の大転換の中で、政府は、原発は過酷事故を起こすことを法律に初めて明文化しました。

  仙台地裁判決から1週間後に国会可決されたGX脱炭素電源法の中で、原子力基本法に原発の基本方針の一つとして、その条文を追加しました(注)。政府は、福島第一原発のような事故を再び起こし、それでも原発を止めないで使い切っていくことを、国民に受け入れるように過酷事故があると条文に宣言したのです。原子炉等規制法と電気事業法を改定し、運転開始後40年を超えた稼働が普通になり、過酷事故の可能性は急激に増大します。


(注)原子力基本法 (基本方針)第2条第3項

 エネルギーとしての原子力利用は、国及び電気事業者が安全神話に陥り、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故を防止することができなかったことを真摯に反省した上で、原子力事故の発生を常に想定し、その防止に最善かつ最大の努力をしなければならないという認識に立って、これを行うものとする。


2023年4月12日水曜日

政府は、東京エリアの今夏の電力需給逼迫見通しにおいて、供給量からJERAの石油火力発電を隠し、さらに、需要量も不正をして、やっと、安全予備率ぎりぎりの3%をでっち上げました。

 3月30日に、政府が今夏の電力需給見通しを発表しました。7月の予備率は、猛暑のケースで、北海道と東北エリアが8.7%、中部、北陸から、九州エリアが11.7%、沖縄エリアが22.3%の中で、東京エリアのみが、安全予備率の3%ぎりぎりで、厳しい、これから、火力発電を公募すると言っています。しかし、JERAの石油火力発電が応募することは有りません。

 政府は、東電と中部電力の火力発電部門を統合したJERAの、石油火力発電を隠して来ました。2020年4月までに、JERAの石油火力発電所の全て15機1,005万kwを長期計画停止しました。維持管理を続けており動かせるのに、政府は、今まで一機たりとも再稼働せず、ここ数年の電力需給逼迫を演出して来ました。朝日新聞とNHKにも、これらは無くなったと報道させて来ました。カーボンニュートラルだと言っても、石油が高いからといっても、需給上の必要を差し置いて良いものではありません。それに、需給逼迫を避ける火力運転の燃料消費は少ないです。

 長期計画停止した15機1005万kwの内、大井石油火力3機105万kwを2022年3月末に、鹿島石油火力6機440万kwを今夏の需給逼迫見通し発表の翌日、2023年3月末に廃止しました従って、広野石油火力4機など計6機460万kwを、今夏も隠しています。これは予備率にして、東京エリアは火力発電1機相当の60万kwが1%ですから、7.6%になります。

 もう一つ、政府が予備率見通しを作為的に低くしていることが有ります。

 東京エリアの2022年度の冬季、今年1月は、5月時点の予備率見通しマイナス0.6%が出た後、火力発電が公募され積み上げられ、9月時点で4.1%まで改善し、当月は、節電要請は出されており、見通しの前提と同じ厳寒になって、需給逼迫は回避されました。回避された要因は、供給力を積み上げたことだけではありません。それ以上に、需要が大幅に減少したことでした。厳寒となったものの、前年に比べ需要が、1月は5.3%、2月は8.7%も減りました。この減少には構造的に継続する、継続出来るものが多くあると思います。しかし、今夏の見通しの最大需要量は、この減少を少しも反映せず前年同期の0.4%ほど高めに設定しています。東京エリアの予備率の分子の供給量からはJERAの石油火力を隠し、分母の需要量も不正に過大にして、やっと、安全予備率ぎりぎりの3%を算出したわけです。

 今夏の電力逼迫見通しが発表された同じ日に、日本原子力文化財団が、原子力に関する2022年9月から10月に行った世論調査結果を公表しました。「原子力は必要」というイメージを持つ人が、東日本大震災以降、初めて30%を超えた。その背景には「電力需給逼迫」と「エネルギー価格上昇」が影響しているとしています。

 政府は、「電力は十分に足りている、この先もずーと」という事実が、国民の意識の中に定着することを、今、一番恐れています。恐れながら、原発必要の機運醸成のための偽の世論形成、則ち、国民と諸外国に対し、政府は自分達が原発をやりたいことを、国民の意志の信託だと言いたいのです。

 尚、日本原子力文化財団は、同調査で汚染水についても聞いており、「漁業者の理解を得られるまでは、海洋放出を行うべきでない」という国民の意識が浮き彫りになりました。

海洋放出することについて、「国民の理解を得られていない」は51.9%、「漁業を中心とした関係者の理解を得られれるまでは行うべきでない」は42.3%を占め、「国民の理解は得られている」(6.5%)、「関係者の理解を得られなくとも行うべき」(5.6%)を大きく上回りました。


JERAの石油火力発電所の15機1,005万kw

広野石油火力  福島県双葉郡広野町

 1号機(60万kw 重油・原油 1980.4

 2号機(60万kw 重油・原油 1980.7)

 3号機(100万kw 重油・原油 1989.6)    

 4号機(100万kw 重油・原油 1995.1)

鹿島石油石油  茨城県神栖市 (2023年3月廃止) 

  1号機( 60万kw 重油・原油 1971.3) 

  2号機( 60万kw 重油・原油 1971.9)

  3号機( 60万kw 重油・原油 1972.2)

     4号機( 60万kw 重油・原油 1992.4)

    5号機(100万kw 重油・原油 1974.9)  

    6号機(100万kw 重油・原油 1975.6)      


大井石油火力  東京都品川区八潮  (2022年3月廃止)

   1号機(35万kw 原油 1971.8)

    2号機(35万kw 原油 1972.2)

   3号機(35万kw  原油 1973.12)

渥美石油火力  愛知県田原市 

   3号機(70万kw 原重油 1981.5)

 号機(70万kw 原重油 1981.6)

    計  15機  1,005万kw



2022年12月7日水曜日

電気は、もう十分に足りており、原発は、ずーと全く必要ない。政府と大手電力会社が石油火力発電を排すのは、原発推進のために、太陽光・風力発電にストップをかけること。今、原発をやめて、太陽光と風力発電の本気の普及に向けて舵を切る時。

 

(上)

 5月頃から、夏よりも冬の方が需給逼迫が厳しく大変だと騒ぐ根拠になっていた、東電管内の来年1月(来月)のマイナス0.6%の予備率は、今は、安全予備率の3%を超えて4.1%に上がっています。要因は、福島県沖地震で止まっていた新地火力1、2号機の復帰や、姉崎火力5号機を夏に続いて冬も再稼働すること等です。来年前半に新設される姉崎1,2号機、横須賀火力の試運転の電気(kwh)の利用を折り込めば、6%にも上がります。政府は何故か、まだ心配と言っており節電要請を出しました。この逼迫対応で再稼働されるものも、稼働しているものも、LNG火力か石炭火力だけです。これらより他にJERAの石油火力の全て、900万kwが在ります。広野火力1〜4号機、鹿島火力1〜6号機など12機で、原発9基分で予備率にして15%です。これを、政府は隠しています。

 東電管内の火力発電会社のJERAは全ての石油火力発電15機1,000万kw(この内、大井火力の3機計100万kwは本年3月に廃止)を、2020年4月までに約5年かけて計画停止しました(注)。もちろん、老朽火力が多いですが、広野火力3号機(100万kw)1989年、4号機(100万kw)1995年、鹿島火力4号機(60万kw)1992年と、わりと新しいものも有ります。東電管内のピーク需要約6,000万kwの1.000万kwです。これらは将来の稼働に備えて全て維持管理が続けられており、動くのに、政府(政府というより資源エネルギー庁)は1機たりとも使わないと決めて隠し、需給逼迫を演出しBWR原発を再稼働しようと、ここ数年、画策して来ました。続けて今、運転期間の延長と原発のリプレースを決めてしまおうとしています。     

 因みに、同じことを今、九州電力が、川内原発1、2号機の40年運転期間の延長のために、豊前石油火力他を止めて、やっています。

 火力、中でも一番切りやすい、石油火力を排すのは全くもって、間違いです。極めて短い時間の需要ピーク時や需給接近時の供給力調整は、出力を柔軟に上げ下げ出来る火力、特に石油火力が行います。また、太陽光や風力発電の発電量変動を吸収調整するのは、火力です。二つの意味の調整の、特に後者のために、石油火力のkw(設備能力)を確保しておき、太陽光や風力発電を存分に普及させなければなりません。石油火力のkwh(発電量)は、後述しますが、自ずと少ないんです。もちろん、一定発電しか出来ない原発には、「前者の調整」は出来ないし、逆に「後者の調整」の幅を狭め、太陽光発電の抑制を増やし、火力発電を押し退けてしまいます。従って、政府と電力会社のやっている石油火力の排除は、太陽光や風力発電の普及にストップをかけます。もちろん、「後者の調整」は、蓄電システムやデマンドレスポンスに置き換えていく過渡期に必要なものです。

 ところで、6%まで上がった東電管内の1月の予備率には、太陽光発電が供給力として殆ど含まれていません。全国の電力需給の調整と予備率の管理を担当する「電力広域的運営推進機関」によると、「安定的に見込める供給力」を評価して、1月は4%の調整係数を、設備容量に乗算したものを予備率に織り込んでいるということです。「太陽光発電を導入することにより安定電源を代替できる量」ということですが、太陽光発電の稼働率であれば1月は9%(年間は13%)だから、4%という調整係数もよく分かりません。管内の太陽光発電の最大発電実績は1,400万kwですから、仮に設備容量を1,500万kwとしても、その4%、僅かに60万kwhしか見込んでいないわけです。しかし、とにかく、晴天であれば、冬のピーク時は設備容量の6、7割、900万〜1,000万kwh は発電します。雨天の時のことを考えて予備率には見込めないということでしょう。しかし、JERAの石油火力900万kwで、需給逼迫時の出力アップに備えて短期間、待機して「後者の調整」をすればいいです。石油燃料消費量も最小限に抑えられます。ましてや、JERAの石油火力は、設備の償却を既に終え稼働率低下に伴う損失は殆ど有りません。「電力広域的運営推進機関」は、「JERAの石油火力は、東電パワーグリッドが申告する供給力の中身の問題なので関知しない」と言います福島第一原発事故後、原発を代替するエネルギーにしようと、国民が賦課金を負担して普及してきた太陽光発電を、政府は端から予備率に生かそうとしないで、その予備率が低いから原発が必要と言っているわけです。

 また、東西連系線の容量増強をわざと遅らせ、原発のために太陽光電気を捨てています。今頃になって、原発回帰の支持になると見て地域間連系線の新増強計画を発表しています。

 (注)政府・電力会社は「太陽光発電が増え、その変動を吸収調整するため稼働率が低下し経済性が悪化したから石油火力発電を廃止或いは停止した。」と言っています。


(中)

 福島第一原発事故を負っており、ウクライナ紛争を見ている、今、私達は、太陽光発電と風力発電の本気の普及に向けて舵を切る時です。調整電源となる火力発電を確保しながら。

 太陽光発電の普及は政府の言うカーボンニュートラルのためではありません。太陽光発電は、

 まず、安いからです。原発や火力発電のように値上げしなくていいです。太陽光発電のコストは、今、kwh、10円以下です。これからまだ、下がります。太陽光発電の耐用年数は35年くらいはあるのに、政府は、長年、20年と誤魔化してきました。変動費の少ない電源のコストに耐用年数は重大です。火力発電の、これから上がるのは変動費です。

 太陽光発電を普及する二番目の理由は、一極集中発電から自立する電源だからです。マイクログリッドは再エネと蓄電池が核になります。

「再エネ賦課金」は太陽光発電のコストでもなければ、普及に掛かる費用でも有りません。固定買取価格が電気料金の半分以下(事業用11円、住宅用17円/kwh)になっても尚、再エネ賦課金がかかること自体おかしいと思いませんか。「再エネ賦課金」は止まっている原発の維持費になっています。2012年、全量買取制度が始まって以来、19兆円の賦課金を国民が負担しています。ほぼ、同じ期間の停止中の原発の維持費が12兆円です。再エネ買取において、固定価格での買取費用を回避可能費用まで、賦課金が原資で補填される大手電力会社は、その交付金を受けて、それを原発の維持費に使っています。固定価格買取制度の開始直後2,3年の冗長な固定買取価格は、制度の意義とは裏腹に、太陽光発電を排除し原発を進めるため、経産省が太陽光発電のコスト高を放任したのです。そして、高い交付金を20年間受けて原発維持しながら、同時に、これを、太陽光発電の汚点、否、固有の欠点として、いつまでも宣伝しているのです。しかし、今、大事なことは、この冗漫な固定買取価格の賦課金は埋没コストだということです。

 原発のコストが安いと言うのは、ドローバック(注1)を費用としてカウントしていないか、費用を先送りしているだけのことです。それは、次の三つのことを挙げれば十分でしょう。放射能の影響が未解明なこと、核のゴミ処分が未解決なこと、原発は必ず過酷事故を起こすこと(注2)。これらのドローバックの金額評価は仕切れるものでなく、出来る範囲でさえ、分かってくるに連れて原発のコストは上昇の一途をたどります。しかも、今、彼らが安いと言っているのは、こうした結果のコストの、止めているコストと稼働させた場合のコストの差だけを見て言っているのです。

 そして、三番目の理由として、太陽光発電は「究極の自給」だからです。紛争や戦争と不即不離の供給不安が有りません。そして、需要家により近い自給ですから、需要家の節電やデマンドレスポンスの意欲と効果を高めます。防災非常用電源にもなります。送配電の負荷も少ないです。

 そして、四番目の理由は、安全、安定だからです。原発のように放射能を出さないことは、もちろん、分散電源のため、一極集中電源の原発のように、原爆に変わる危険や脆弱性が有りません。

  電気自動車は、系統に依らないで、太陽光発電所からの直接給電を目指すことが大事です。原発電気を給電しないためと、太陽光発電とのシナジーを生かすためです。直接給電は、住宅の屋根上パネルからの自家消費が主流になりつつあります。ショッピングモールの屋外駐車場でも始まっています。住宅用太陽光と電気自動車のセット販売や完全自立型EVステーションも出ています。何しろ、系統から給電するのと直接するのとでは、料金が格段に違います直接給電により、全国の電気自動車が総じて、昼は太陽光発電量の増減に応じて給電し、夜には放電のみすることになります。つまり、全国の電気自動車が巨大な蓄電池になり、太陽光発電の変動性を調整する、否応無いが負担の無い「デマンドレスポンス」が、生来的に仕組まれます。

 太陽光発電を設置する所は、山や森林を切り拓かなくともいっぱい空いています。設置に適した場所を探す目で、街を歩いてみて下さい。農村だったら、農地の上にいっぱい有ります。使用済みパネルの処分の危険を始め、いろんな障害はあるでしょう。しかし、原発のゴミ処分等に比べれば無きに等しいです。どこまで普及できるか、少しでも多く設置するようにやってみることが今、一番大事なことです。火力発電を、調整電源として、また、原発代替のためのバランスとして伴いながら。その火力発電を、蓄電システムとデマンドレスポンスを進めることにより、可能な範囲で置き換えながら。

 原発と太陽光発電の相互排他的な関係の中で、原発が太陽光発電を貶めることにより自分が浮かび上がるということが、様々な場面で、巧妙に行われています。(上)で述べた、太陽光発電を主力電源にと、国民に賦課金を負担させながらも、需給逼迫時の予備率に殆ど生かさないで、その予備率が低いから原発が必要と言っていることもその一つです。制度開始時の冗長な固定買取価格を、埋没コストにも拘らず、資金流用していることは棚に上げ、いつまでも太陽光発電の欠点のようにあげつらうこともそうです。東西連系線の拡大をわざと遅らせ、九電や中国電力の太陽光電気を、太陽光発電への嫌がらせのように捨てていることもそうです。更に言えば、太陽光発電のコストが安いから、メリットオーダーからも最優先されなければならないところ、コストが安いから限界的電気に追いやられるという倒錯が、原発贔屓のもと巧妙に様々に行われています。太陽光発電が変動電源であることを考慮してもです。このことが再エネ賦課金を通じて行われている事象を、次の(下)で述べます。                 

    (注1)「ドローバック」とは「欠点、不利益、障害」 

    (注2)過酷事故の想定について、エネルギー基本計画の本文には記述は有りませんが、電源ミクスの原発20〜22%の根拠になる原発コストに、2000炉年に1回(50機が40年寿命運転して1回)、福島第一原事故級の事故を見込んでいます。実態でも、安全防護の第五層を当然のように、周辺自治体に避難対応を強いています。しかし、過酷事故の想定は、「限りなく原発依存度を低減する」方針の下であり、岸田GXの下では意味が違ってきます。文言として初めて、原子力基本法の第2条3項(基本方針)に、「原子力事故の想定を常に想定し」と記されようとしています。


(下)の一

 大手電力会社は、FIT太陽光電気を固定買取価格で買い取る費用と「回避可能費用」との差額の補填金を毎月、算定され交付されます。これを、「再エネ買取交付金」と呼ぶとします。「再エネ買取交付金」の原資が「再エネ賦課金」です。大手電力会社が「再エネ買取交付金」を停止中の原発の維持費に充てていることは本稿の(中)で述べました。尚、これは、再エネの調達価格となる「回避可能費用」と販売価格の「電気料金」の差額のキャッシュフローだけではありません。

「回避可能費用」の意味は、FIT再エネ電気を買い取ることにより、発電・調達を免れ回避される費用ということです。それが太陽光電気の評価にしようということです2012年に固定価格全量買取制度が始まって、「回避可能費用」は、全電源平均か火力か原発か」、「全コストか可変費だけか」、「再エネの供給力計上はどうか」、などの要素を考慮し決められました。一極中発電所において発電する、送配電前のコストです。分散して在り、地産地消の太陽光発電も、わざわざ、一旦、電気を一極集中発電所に買い取り集められてから需要家に送配電して返されるようなものです。

 2014年に一回の見直しを経て、2016年の電力全面自由化に合わせ、政府は回避可能費用を、市場価格に連動するようにしました。「市場価格連動」は、再エネ電気が無かった時、その相当分を卸市場から電気を調達しており、再エネ電気が有れば、まず、その卸市場からの調達を止める即ち回避するという考え方です。激変緩和措置というのは、2016年以前の2度の固定価格による回避可能費用を「市場連動価格」にソフトランディングするための措置です。賦課金が止まった原発の電気を補い、ましてや、止まった原発の維持費に充てられていることからして、回避可能費用は原発のコストと考えられなくもありません。 

 「回避可能費用」は低すぎるのではないかという問題が当初から有り、河野太郎氏らも問題視ししていました。2016年から市場価格連動になりましたが、2度の固定価格よりも更に下がってしまいました(注1)。この問題は、賦課金は単に電気料金との差し換えだからと、厳密に検証されない感が有りました。結果としては、2012年に制度が始まって以来2021年まで、10年間近く、ずっと7、8円ぐらいで推移して来ました。そして、上がったのか、上げたのか、卸市場価格が高騰で2021年の10月から「回避可能費用単価」は18円から30円/kwh(30分毎、1日48コマ平均)ぐらいの範囲で推移しています。

 従って、2022年の再エネ買取交付金」は大きく減ります。2018年以降の固定買取価格(2018年度:事業用18円/kwh、住宅用24円/kwh)にあっては、「回避可能費用単価」が「固定買取価格」を逆転します。この電気の買取においては「再エネ買取交付金」はマイナスにさえなり、大手電力会社は「電力広域的運営推進機関」(注2)に「再エネ買取交付金」を返納します。「再エネ買取交付金」の交付額は翌年度の賦課金の算定基礎になるので、2023年度の「再エネ賦課金単価」は大きく減りますこの高い回避可能費用が続けば、賦課金は2022年度の3.45円/kwhの「再エネ賦課金単価」をピークに、2030年(注3)を待たず、減少に転じます。

 大手電力会社は、停止中の原発を維持する原資を、だんだん貰えなくなり原発を再稼働する他なく、結局、政府と大手電力会社は、「 福島第一原発事故後、約10年の間、享受して来た低い回避可能費用を諦め手放し卸市場価格を吊り上げ、新電力を葬り顧客を奪い返す、と同時に値上げし、原発再稼働に向けて踏ん切りをつけよう 」ということです。

 尚、太陽光電気の買取りにおいて、2017年度から「送配電買取り」として送配電事業者が、間に入りますが基本、パススルーで、かつ、大手電力会社の小売と未分離、実質一体なので、上の説明では省きました。

 

     (注1)2012年と2015年に始まる2度の固定価格の回避可能費用は激変緩和措置が5年有り、2021年度から完全に市場価格連動になりました。

     (注2)「電力広域的運営推進機関」は、全国の電力需給の調整、予備率の管理に加え、2022年度からFIT費用負担調整業務も担当することになりました。

     (注3)太陽光発電の事業用20年、住宅用10年の固定価格買取期間から、制度開始から18年目の2030年が賦課金のピークと見られていました。


(下)の二

 以上のように書きましたが、この内容を、資源エネルギー庁に確かめると、回避可能費用はそうならないから、賦課金は減らないと言うのです。「回避可能費用単価」は、その電気を買取る時のコマ(30分)の卸市場価格に依り、買い取る時間帯は、余剰の太陽光電気が市場に沢山、売却されており、1日48コマ平均の「18円から30円/kwh」よりも大きく値を下げているからだと言うのです。調べて見ると、資源エネルギー庁の言う通りでした。買取りする時間帯の「回避可能費用単価」は、余剰太陽光電気が市場に捨てられることの多い九州エリアが一番安く、東京エリアも、0.1円/kwh以下(最低入札価格は0.01円/kwh)のコマが15コマ続くことさえ有ります。政府は、低い回避可能費用をまだ諦めていなかったようです。

 送配電事業者が太陽光電気を買取り、市場に売り、大手電力会社が市場から買うという「市場価格連動」ですが、大手電力会社は、その電気を市場から買っていないのかとさえ疑われます。これでは回避可能費用の決まり方は、原発の手前、決して優先されない太陽光発電の「共食い効果」に付け込む「市場価格連動」でしかありません。

 そして、これは自分達、大手電力会社だけのことなのです。新電力がFIT太陽光電気を調達する「特定卸供給」は、卸市場を経ないで、送配電事業者から直に市場価格供給を受けるので調達価格は大きく上昇しています。新電力が自前の太陽光発電所で発電した電気も、一旦、送配電事業者に固定買取価格で売り、逆鞘になっても、高い市場連動価格で送配電事業者から卸供給を受けなければなりません。新電力がFIT太陽光電気を発電・調達するのを諦めさせ、太陽光電気とその顧客を、大手電力会社が囲い込みます。

 大手電力会社は、「市場価格連動」を太陽光発電の「共食い効果」で歪めて、安い回避可能費用を享受し続け、本来、減らなくてはならない賦課金は減らず、今まで通り、多額の買取交付金を受けて原発の費用に使い続けます。

 太陽光発電は、末端の配電線を自由に開放し、その地域一帯で自家消費し、新電力に、非FIT・非FIP・非「送配電買取」でコスト通りの調達・販売をさせるべきです。送配電網は総括原価方式の電気料金を払って来た国民の資産だから出来るはずです。そして「再エネ最優先」に舵を切る時です。


 資料

「市場価格高騰を踏まえたFIT制度上の制度的対応」(資源エネ庁 2021.2.16)

   の5ページ : 「FIT電気が、消費者に届くまでの流れ」図

   の8ページ : 「回避可能費用単価の算定方法」表





2022年9月7日水曜日

資源エネルギー庁は汚染水の海洋放出を直ちに中止し、国家石油備蓄の空き容量に陸上保管して下さい。

  汚染水を、国家石油備蓄の空き容量に陸上保管することが出来ます。

 資源エネルギー庁は、「処理水の陸上保管は場所が有り出来れば、それがいい。ただ、福島第一原発に隣接する中間貯蔵施設は、双葉、大熊町の住民の心情を考えると、復興の妨げになるタンク建設は難しい。他県の受け入れる所は無い。」(2023年7月6日、会津若松市で行われた汚染水に関する住民説明・意見交換会の中で木野参事官、談)と言います。しかし、事故から13年たった今でも、中間貯蔵施設のある双葉町、大熊町の帰還者は、わずかに双葉町、約100人(震災前、約7,000人)、大熊町約700人(震災前、約1万4000人)です。周辺6市村でも、帰還率は約2割です。避難住宅からの追い出しを掛けています。ついには、自宅の汚染がとれず帰れず、退去できない避難民を東京都をダミーに訴える始末です。強制避難基準の20ミリシーベルトを帰還基準に当てています。スリーマイル、チェルノブイリでは、考えられもしなかった帰還政策は失敗です。今なお、緊急事態宣言下にあります。汚染水はいわゆる核のゴミではありません。事故の放射能です。両町に在る中間貯蔵施設の一角に、今も進行中の事故の、被害をこれ以上広げないために、それも、世界に拡大しないために汚染水を溜め置く陸上タンクを建設することは、しごく自然なことです。小出裕章さんが、能登半島自身に関する論稿で「原発事故時の住民の避難計画とは実は故郷喪失計画なのだ。」と言いましたが、正に至言です。

事故を小さく見せたい、原発をやっってきた非を認めたく無い、ということが、事故を更に拡大してきた。原発を安全と見せたいということが安全を疎かにすることに繋がった安全神話時代と同じことをしている。

資源エネ庁の言っていることは、「復興の演出の邪魔になるからタンクを立てられない」と言っているも同然です。

福島第一原発事故は、今なお、進行中なのに、終わって、復興もすすみ、事故の痕跡も残したくないと終わったのに

政府の3.11後の施策は全て、福島第一原発事故を小さく見せるという一点です。汚染水の海洋放出も事故を小さく見せるための材料にされました。

 そもそも、このような事態になったのは、復興を願うあまりもあるでしょうが、復興を演出するために、第一原発を事故の痕跡の目立つ石棺に出来ない、増え続ける汚染水タンク群が立ち並ぶのはまずい流すほかない。そうすることが、復興の名の下に、あたかも被害者の意思のように、国民に思わせながら。帰還を無理やり強制する政府の今のあせりは、柏崎狩羽6、7号機、東海第二原発、女川2号機の再稼働というGX原発回帰の初関門を突破するためです。


 それでも、資源エネ庁は、出来ないと言い張るなら、国家石油備蓄の空き容量に汚染水を長期陸上保管する方法を検討し是非実行に移して下さい。

 エネルギー価格の高騰を受けたIEA加盟国の備蓄石油の協調放出により、政府は2022年9月に、国家石油備蓄から151万klを放出し終えました。初めての国家石油備蓄の放出で、備蓄日数にして145日分ある中の、5日分です。タンクは、今、空いた状態です。今ある汚染水は約130万トンですから、この空き容量に丁度、入ります

 国家石油備蓄に汚染水を貯めるなど、突飛に聞こえるかも知れませんが、そうではありません。その理由は三つあります。(尚、以前、公明党もタンカー備蓄を検討していました)

 一つには 国家石油備蓄は、汚染水の処分について、前面に立ってあらゆる対応を取るという国が、備蓄基地を所有していること。

 二つには、国家石油備蓄基地のうち、陸上タンク方式のものの操業管理を、汚染水の所有者であり、管理責任のある東京電力(直接にはJERA)が行なっていること。

 三つには、130万トンの備蓄石油を放出した空き容量に、石油以外の何かを貯めなくてはならないこと。(石油は貯められない。空きっぱなしにも出来ない。)

順に説明します。

 国家石油備蓄は、石油公団と石油元売り会社との半官半民の石油備蓄会社に、国が、所有する石油を寄託する形でしたが、特殊法人改革(公団民営化等)で、2001年に、石油公団が廃止され国の直轄事業となり、石油備蓄基地は国に資産移転され国の所有となりました。備蓄基地の使い方は、汚染水処置について前面に立つと言う国の随意になったわけです。

 石油備蓄基地の操業管理業務は、基地の国有化に伴い寄託事業から委託事業に変わり各石油備蓄会社の100%株主となった各石油元売り会社に、国が、金属鉱物資源機構(JOGMEC)を介し、再委託してきました。2018年に、全国にある10基地(8会社)の内、陸上タンク方式の4基地(4会社)の操業管理業務を、石油元売り会社に代わって東京電力、直接にはJERAが応募落札しました。設立以来の「何々(地名)石油備蓄株式会社」という社名を残したまま、JERAが四つの操業管理会社の完全親会社になり、本社機能を、東京、横浜に分散していたものを、日比谷国際ビル9階のJERA東日本支社の一角に統合し、4基地を一元的に操業管理しています。

 国家石油備蓄は、1998年に5,000万klを達成して以後、その水準を維持しています。義務・目標量は、直近1年間の石油輸入量の90日分のところ、今の備蓄日数は145日分にもなり、大幅に過剰です。3.11後、たびたび、事業仕分けや行政仕分けで、税金の無駄遣いを指摘され備蓄量を削減するよう命令が出ていますが、資源エネルギー庁は少しも応じて来ませんでした。今回が国家石油備蓄からは初めての放出です。石油輸入量が減る中、備蓄日数は今後、更に増え続けて行きます。従って、政府は、放出後の空き容量に石油を積み戻すことは出来ません。かといって、空きっぱなしにすれば、税金の無駄が白日の下になります。空き容量を石油とは別の何かに有効利用する必要が有るのです。ここに汚染水を貯めることが出来ます。全体の備蓄量の削減も喫緊の課題です。

 国が所有し東電が管理運営し汚染水を受けるに恰好な国家石油備蓄基地の空き容量は、正に、国が株式を持って処分の前面に立ち東電が管理運営所有する福島第一原発の敷地の汚染水タンク群の延長と言えます。福島第一原発の敷地の溢れると言われる汚染水タンクが、まだ他所に膨大に有るわけです。国と東電が責務を持って、汚染水を海洋投棄せず引き続き、とどめおくことが出来る所です。国家石油備蓄の陸上タンク4基地が所在する苫小牧、秋田、福井、志布志の何れかの自治体に、陸上保管してもらうわけではありません。その自治体に在る、国と東電の倉庫に搬入、蔵置するだけのことです。汚染水の県外の陸上保管であっても、他県の汚染水受け入れではありません。

 放出設備の海底トンネルは無駄にはなりません。これを利用して、国家石油備蓄基地へ汚染水の移送を海上から一挙に行えます。放出設備の突端の、まだ先500メートルの沖合(中型タンカーの満載吃水の水深を確保)までホースを延ばし、一点係留ブイ払出設備を付けてタンカーに積み移送するのです。追加投資額は40億円ぐらいでしょう。3ヶ月ぐらいで、中型タンカーで10往復、130万トン以上を移送出来ます。放出設備から小型タンカーで受け沖合に運び、中型タンカーに瀬取りする方法も有ります。

 陸上大型タンク保管案や基地外保管案が、申し訳けのように検討された時に挙げられた却下理由を、この方法は全てクリアしています。汚染水の処置は、福島第一原発事故の処理という緊急事態宣言下の対応です。法律に違うからと、或いは、少々の困難により避けられることではありません。政府が法律の制約を利用し自分の都合のいいように事を運ぶ作為がしばしば福島第一原発事故後行われています。法律は緊急な状況変化によって齟齬をきたすもので、その時は柔軟に対応すべきものです。憲法に優先する法律は有りません。

 国家石油備蓄の膨大な過剰在庫を取り崩し、石油を放出消費し、空き容量を更に増やすことは自由自在です。否、取崩す必要が有ります。50日分以上の過剰在庫があるからです。取り崩したあとに、今後、発生する汚染水も貯められます。備蓄日数9日分の空き容量を加えれば、1日70トンの汚染水が発生し続けても、トリチウム濃度が千分の一に減衰する期間の120年間(半減期12年を10回重ね)に、発生する汚染水を全て貯められます。使う容量は、50日分以上の過剰在庫の内たったの14日分(5日分+9日分)に過ぎません。これは、480万klで、ほぼ10基地の国家備蓄基地の1基地相当です。

 トリチウムよりも半減期の長い核種の放出は、120年経過しても危険です。これらを海に流さないために、少なくとも、この120年の内に、デブリを取り出し終えるか、出来なければ、デブリと圧力容器を環境から遮断するよう、底のある地下埋没型石棺に閉じ込める方針変更を、その時には、決断しなくてはいけません。トリチウム分離技術の実用化もあるでしょう。それまで、とにかく海に流しません。

 国家石油備蓄への陸上保管という、40億円ぐらいしか、お金の掛からない、この簡単な方法をとるだけで、政府としては、漁業者との約束を果たせ、風評被害対策の8百億円の基金は必要無くなり、430億円かけて作った放出設備も無駄になりません。そして、近隣諸国に道義を尽くせ、太平洋諸国の信頼を損ねず、これからも、正々堂々と紛争防止のための意見を、国として言っていけます。国家石油備蓄の空き容量の有効活用は、政府にとって願ってもない方法だと思います。何よりも、海洋生物の食物連鎖を通じ生物濃縮した海産物を人が食し内部被曝し、遺伝子を損傷する危険なトリチウムを無害化することが出来ます。




2022年8月5日金曜日

太陽光発電と電気自動車は、直接給電により、相促進し合う相乗効果が抜群。

電気自動車はガソリンを太陽光発電の自給エネルギーに変えてくれる。

 太陽光発電と電気自動車の両方を持つ家庭は、固定価格買取制度の10年の買取期間を過ぎれば、電気自動車に、日照時に屋根上の太陽光発電の電気を充電する。卒FITの電気は売電価格が10円/kwhぐらいで、安く設定されている系統からの15円/kwhぐらいの夜間電力よりも更に安いからだ。充電時間も短縮し、昼間、自動車を使っていない合間に十分、充電可能だからだ。その期間は、太陽光発電の耐用年数が35年くらいなので25年間も有る。走行距離と充電設備の問題は太陽光発電を持つ家庭のマイカーの場合は少ない。家庭が、太陽光発電を電気自動車に充電(自家消費)できるように太陽光発電を付けるという選択の有効性が増す。夜間電力は大手電力会社が主にベースロードの原発の夜に余る電気を安く売るものだ。

 住宅用太陽光発電に限らず、10kw以上の産業用太陽光発電も、電気自動車に直接充電するようになるだろう。固定買取価格は12円/kwhで、直接充電すれば、発電者は電気料金の半額ぐらいで売ることが出来、需要家は安く買える上、賦課金が掛からない。産業用が設置されている郊外や農村から広まるだろう。充電時間の短縮はもっと進むだろう。

 更に良いことは、太陽光発電の「デマンドレスポンス」が、全国の電気自動車が巨大な蓄電池となることで、自動的に仕組まれる。電気自動車は、日照時、太陽光発電量の多い時に充電し、曇天や雨天時、夜に放電のみする。否応無いが負担の無い「デマンドレスポンス」だ。電気自動車の方のメリットは、充電場所が増えること、動力が10円/kwhそこそこの低価格で、再エネ100%になることだ。また、災害時、停電時に電気自動車が電源車として電気を配り送り届けることが出来る。

 太陽光発電の設置場所は、山や森林を切り開かなくても、沢山有る。住宅だけでなく、建築物の屋根、壁が有り、地上設置のものでは、荒廃農地、ソーラーシェアリング等、いっぱい空いている。廃棄処分の危険性は原発に比べれば無きに等しい。かつて世界一だった国内太陽光パネルメーカーを、原発に躍起の国が潰した。国はその責任を取り復活支援をする。大規模、長距離送電の風力発電主体の再エネ利用で来たドイツに対し、日本は太陽光発電主体で来ており、地産地消し易い。電気自動車への直接給電の他に、発電所から直接、自営線で電気を近隣に配り地域一帯で自家消費のようにするなど、太陽光発電を地産地消電源どおりに生かす工夫をすれば、更なる大量導入が可能である。



2022年7月1日金曜日

太陽光発電の賦課金は誰のため? 東京都の、戸建住宅等への太陽光発電設置義務化は正しい。





 東京都が、太陽光発電の新築住宅等への設置を義務化する。これを、週刊新潮(4月28日号)が批判していた。

「150万円の太陽光パネル代で考えると、内、100万円は賦課金等の形で国民全体が負担する。東京で家を買える財力のある人に、全国の国民の電気代から100万円余りを徴収した金で太陽光発電装置を付けてあげ、15年がかりで元を取ってあげるまでの枠組みを、都が制度づけるものと言える。」と書いている。

 国民全体が、再エネ賦課金で太陽光発電の設置代を負担するように書いている。賦課金を太陽光発電設置者が売電収入で受け取るように書いている。

 「賦課金は、設置者が受け取る」というのは、本当にそうだろうか。太陽光電気の価値を考えてみたい。固定買取価格が、少なくとも、価値ではなかろうか。だから、設備化し、電気を作り、そのコストが回収されるよう買い取られる。設置者は賦課金を受け取っていない。価値通り売電しているだけだ。では、賦課金を受け取るのは誰だろう。それは、買取りを行う大手電力会社である。大手電力会社は、「回避可能価格」で太陽光電気を評価する。「回避可能価格」とは、太陽光電気を入れることにより無くなる電気、即ち、発電所で生産或いは調達を免れる電気の価格である。買取に際し、その価格でしか負担しない。つまり、固定買取価格を設置者に払うが、回避可能価格を超える額の、賦課金が原資の交付金を受け取る。回避可能価格は、火力発電の可変費(固定費は含まない)とされ卸市場価格が適用されている。固定価格買取制度が始まった2012年7月から約10年間の回避可能価格の平均は8円/kwhだ。国はこれを、安くコントロールし旧一電に利益誘導したので国民の賦課金単価が予想以上に増えた。

 太陽光電気の賦課金は、太陽光発電を設置する人の売る電気が高いからでなく、それを、買い取る人の評価が安いから有る。

 今、太陽光発電の固定買取価格の住宅用は17円/kwh、産業用(10kw以上)は12円/kwh。太陽光発電装置の耐用年数は35年。買取期間が終わっても、住宅用は25年間、産業用は15年間、10円/kwh以下の価格で電気を供給してくれる。電気料金が今27円/kwhに対し、こんなに長く、安く電気を供給する太陽光発電設置者は、自分が困らないだけでなく間違いなく、日本の電気代上昇を抑え、かつ電気安定供給に貢献してくれる人達である。太陽光発電の発電供給に需要を合わせるように生活と生産を合わせようと思うほどに、長く、安い電気を供給してくれる。何よりも、攻撃を受けても、停電や途絶や爆発の心配の無い、分散して自給自足の電気である。少なくとも住宅用太陽光発電は、環境破壊に無縁だ。廃棄にかかるコストは積み立てられているし、廃棄物の危険は原発の比ではない。

 東京都の太陽光発電設置義務化は正しい施策である。新築住宅だけでなく、既存住宅へも、第三者所有モデル或いは補助金により、設置者に初期投資の負担ない形で、規制緩和して義務ではなく拡大すべきだ。



2022年6月15日水曜日

電力需給逼迫の対策は、「原発9基の稼働」ではなく、国が「予備率算定不正」を認め、原発9基分の休止中の石油火力発電を、冬のマイナスの東電管内予備率に算入すること。


 
(続・続)

 電力需給逼迫の原因の一つは、「大手電力会社が火力発電の休廃止を進めたこと」は
 ”間違い”。            正しくは、「休止した火力発電を再稼働しないこと」


 JERAは、保有する「石油」火力発電の全て 15基、合計出力、1000万kw、燃料 重・原油を、約5年かけて、2020年4月までに長期計画停止
  
    広野火力4基 1号機(60万kw),2号機(同左),3号機(100万kw),4号機(同左)
  鹿島火力6基 1号機(60万kw),2号機(同左),3号機(同左),4号機(同左)
           5号機(100万kw),6号機(同左) 
  大井火力3基 1号機(35万kw),2号機(同左),3号機(同左)
  渥美火力2基   1号機(70万kw),2号機(同左)
   この内、大井火力を今年3月に廃止し、現在、12基、900万kw、原発9基分

  JERAの説明
 これらは、確かに古いが、メインテナンスが続けられており、使用前点検等に、基によって、1、2ヶ月から半年掛かるが再稼働出来る。 順次、廃止していくことも考えていた。 
  今、電力会社間でLNGの取り合い。
 LNG火力の長期計画停止したもの(姉崎5号、知多5号)から先に動かすが、
 これらの石油の 長期計画停止したものは、LNGの次に動かせる。

 JERAは、東電(送配電事業者の「東電パワーグリッド」)から「電源別の電気」の注文を受けて、その「電源」を動かす。石油火力発電を再稼動するしないは、東電から石油火力電気の注文が入るかどうかに依る。
  予約注文も含め、LNGと石炭火力の電気の注文が入るだけ。東電(東電パワーグリッド)から、石油火力電気の注文が、2020年4月停止して以来、今まで、一切無い。
 需給が今夏より厳しい、マイナス予備率の来冬(1月)も、これらの石油火力は動かされない。
   
    東電管内の来年1月のマイナス予備率の安全予備率を越えてメークアップする過程
          (注)火力60万kw1基が、ほぼ1%。
     マイナス0.6%(@5月25日 電力広域的運営推進機関発表)
    →1.5%(@6月28日 広域的機関 発表 
        要因:新地火力(100万kw)3月地震からの復旧間に合う他、赤穂火力、
        東京東北間運用容量増)    
    → 4%(7/20萩生田経産相 東で190万kw手当てと発言。
                        姉崎5号(60万kw)、知多5号(70万kw) がまた使える。
        後1基は資源エネ庁教えない)
    → 5%(新設 姉崎1号(65万kw)2月稼働 の試運転のkwhが1月に使える)

  他の、どの大手電力会社も、石油火力発電を必要に応じ機動的に使っている。長期計画停止中の石油火力は有るが、安全予備率を確保した上で止めており「大丈夫」と言っている。
 電力会社、安定供給責任が使命。JERAも同じ。
 マイナス予備率になっても、長期計画停止の石油火力を使おうとしないのは東電だけ。

 誰が、JERAの石油火力を再稼働しないのか。
   →   国有化された東電だからこそ出来ること。 東電の支配株主の国が、JERAに石油火力電気を注文しないと決めている。(資源エネルギー庁の画策)

 何のため 
   → 需給逼迫を演出して、BWRの再稼働をやりやすくするため。特に東海第二原発(今冬、再稼働予定だった)と柏崎刈羽原発

(追記)
 このJERAの石油火力を需給逼迫対策として動かすコストは ”小さい”。
  短期の待機運転(太陽光発電が予想に反した時の出力アップ)→  燃料費最小限
  高経年で減価償却済み   →  固定費は殆ど只 
     「太陽光発電に圧されて火力発電休廃止」 
       → しかし、バックアップ調整する時の火力の稼働率低下のコストも殆ど只

 石油の重要性 
 → 化石燃料内での「多様化」の必要性( LNG、石炭、石油)  
  太陽光発電の変動の調整を通じて、その普及をもバックアップする電源

電力需要の減少 →  後、2、3年で、電力需給逼迫を材料に、原発再稼働を言うことはできなくなる。→ 資源エネルギー庁の焦り





 1. 「電力需給逼迫」は、政府と東電が原発の再稼働を進めるために、作り出しているもの。

 今、「電力が不足するので、原発の再稼働が必要だ」という論調が盛んになっている。しかし、「電力需給逼迫」は、作られたものだ。東電は、火力発電部門を担当するJERA(中部電力の同部門も吸収統合)の石油火力発電の全て15基、合計出力1,000万kwを2020年4月までに休止した。原発10基分で、いまだに1基も動いていない。大手電力会社とも、火力発電を、石油を休廃止し、LNGと石炭に絞っている。原発を再稼働しなくても、これらの石油火力発電から再稼働すれば、需給逼迫の心配は全く無い。

 東電の15基の石油火力発電は、高経年の発電所だが、稼働できるよう維持管理は続けられており、立ち上げるのに、基によって1、2ヶ月から半年掛かるが、再開出来ないということはない。動かせるけど動かさないのだ。供給予備率の算定では、これらは、全て動かないことになっている。

 去年の冬の需給逼迫を前に、政府は申し訳のように、火力発電所の休廃止を事前届出制にすると広報し、東電はLNG火力の姉崎発電所5号機60万kwを再開しただけである。そして、3月の需給逼迫が起こった。

 これらの石油火力発電を休止した理由を「増える太陽光発電に押されて、石油火力発電の収益性が下がったから止めた」と説明している。太陽光発電の日照に応じ変動する発電量を、全体需給の一致を取るよう火力発電がバックアップ調整する。太陽光発電が増えてきて、この調整コストが嵩み、石油火力発電の収益性が悪化して止めたという意味だ。電力の安定供給にかまわず、しかも、他電源に比べ格安の太陽光発電を国民が賦課金を負担して導入しようと努力しているのに、安易にやってはいけないことだ。ましてや、次に述べるように、この調整コストは殆ど只だ。

 需給が一致して火力発電が電気を供給しているとしよう。そこへ、太陽光発電の電気が加われば、需給の一致を崩さないよう火力発電は同量の電気を、燃料フィードを落として減らす。燃料フィードを落とした分、火力発電の稼働率が低下する。即ち、固定費が回収出来ない。しかし、高経年の15基の石油火力発電所は、減価償却を終わり、殆ど固定費は掛からず、調整コストは殆ど只だ。

 休止した理由として、高い石油価格による収益悪化やCO2のことを言っているものもある。しかし、需給逼迫対応では、その影響は最小限に抑えられる。太陽光発電の突然のバックアップの時や需給逼迫が予想される時に、素早く出力を上げられるよう最低限の石油燃料フィードで待機運転する石油火力発電を複数基、準備しておけば良いからだ。

 上に理由について述べたが、これが、どうであれ、政府はこれらの石油火力発電を動かせるのに動かさないで、予備率から外しマイナス予備率を作り出し、そのことを国民に知らせず、「電力需給逼迫」を煽り、原発を再稼働しようとしている。

 

(続)

 6月23日の朝日新聞朝刊の「参院選 政策の分岐点 エネルギー」を読んで思った。

 記事の大筋は、「太陽光発電の普及で稼働率の低下した古い火力発電の休廃止が進んで、東電管内の来年1月の供給予備率がマイナスになる。電気代が上がっている。この状況下、岸田政権が原発を最大限活用する方針を打ち出した。しかし、原発も課題が多い。再エネも難しさは多い。政府は参院選で争点になるのを避けるが、真正面からの議論が必要。」というものだ。

 「太陽光発電の普及で稼働率の低下した古い火力発電の休廃止が進んで」というフレーズを何故、疑問視しないのだろう。何故、簡単に肯うのだろうか。事によっては、保健所を減らして失敗した大阪のコロナ対応と似た事かもしれないのに。エネルギー基本計画の2030年の電源構成は、火力発電のLNGと石炭は2019年の7割から4割、石油は2019年の7%から2%だ。石油火力について、一足飛びにやったのではないか。電気の安定供給の責任を放棄して、否、原発の再稼働如何が決まる頃に合わせて、需給逼迫が原発の稼働で救われるように。

 東電の火力発電部門(原発、水力、再エネを除いてLNG、石炭、石油だけ)のJERA(中部電力の同部門も吸収統合)は、火力の内、全ての石油火力を止めた。石油火力発電15基、合計出力1000万kw、を2020年4月までに休止した(注)。原発10基分だ。いまだに1基も動いていない。今、政府が需給逼迫対策として再稼働している火力はLNGと石炭火力で石油は一切無い。尚、2022年3月末に大井火力3基105万kwを廃止。

 休止中の12基の石油火力発電は、メインテナンスが続けられており、基によって、使用前点検等に1、2ヶ月から半年かかるが、再稼働出来る。LNG火力から順に石油火力も再稼働して行く。JERAは、東電(東電パワーグリッド)から、電源別に電気の注文を受けて、その電源を動かす。従って、石油火力発電が動くのは、東電から石油火力電気の注文が入るかどうかに依る。今の所、東電からLNG火力電気の注文は有っても、石油火力電気の注文はいつまでたっても無いそうだ。来冬まで半年以上あり、注文さえ確定させておけば、これらの石油火力15基どれもが再稼働に間に合うが、来冬の予備率の算定に全く入っていない。

 他の大手電力会社は、どこも石油火力発電、必要に応じ柔軟に使っている。止めている石油火力があっても、安全予備率を確保した上で止めており、大丈夫ということだ。JERAの姿勢・対応と同じだ。予備率がマイナスになっても、石油火力を止めたままで動かさないのは東電だけである。安定供給が使命の電力会社が、将来の予備率がマイナスで、なす術が無いということがあるだろうか。東電の支配株主の国がJERAに石油火力電気の注文を出さないと決めているのだ。国は国民を騙しても、停電で脅かしても、原発を再稼働したいのである。


 これらの、石油火力発電の12基の内、5基でも、太陽光発電の突然のバックアップや、逼迫時に速やかに出力を上げられるように、待機運転さえしておけば十分だ。燃料フィードは、せいぜい2ヶ月間で、しかも最低限のフィードで、燃料コストとCO2は、あまり心配しなくていい。固定費は高経年で減価償却は終わり殆ど掛からない。固定費が殆ど無いので、太陽光発電の調整のため火力発電の稼働率の低下によるコスト、即ち調整コストも殆ど無い。来冬まで、まだ半年ある。今、確定予約注文を出して、予備率に算入すればいい。全く需給逼迫の心配はない。

(注)

 JERAの火力発電所

      LNG火力発電      4,572   万kw 

    石炭火力発電    730    万kw

    石油火力発電    1,005   万kw   

            計       6,307    万kw


  JERAの2020年4月までに休止した石油火力発電所

  (2014年月から段階的に長期計画停止)

           出力(万kw)   燃料    運転開始  

  広野火力 1号機   60.0      重油・原油  1980年4月  福島県双葉郡広野町

       2号機   60.0    同上     1980年7月

       3号機   100,0    同上    1989年6月

       4号機   100.0      同上    1995年1月

  鹿島火力 1号機   60.0      重油・原油  1971年3月  茨城県神栖市

       2号機   60.0    同上     1971年9月

       3号機   60,0    同上    1972年2月

       4号機   60.0      同上    1992年4月

       5号機   100.0   同上    1974年9月 

       6号機   100.0   同上    1975年6月

  大井火力 1号機     35.0       原油    1971年8月  東京都品川区八潮

       2号機    35.0   同上      1972年2月 2022年3月31日 廃止

       3号機    35,0     同上      1973年12月 

  渥美火力 3号機    70,0   原重油     1981年5月  愛知県田原市

       4号機    70.0      同上     1981年6月

   計   機数 15機 1,005万kw  


 



2022年6月9日木曜日

電気が不足するからといって、原発など再稼働する必要は全く無い。大量休止した石油火力発電を再稼働すれば済むことだ。

 6月8日(水)のNHK 朝イチおける、水野 唯氏による説明でも、6月9日(木)の朝日新聞 社説によっても、電気が不足する理由を、次のように説明している。太陽光発電が増加し、その変動調整のために火力の稼働率が低下し採算が悪化し止めたからだと。そう、確かに、東電と中部電力の火力発電部門を吸収統合したJERAは、15基、1,000万kw有った石油火力発電所を2020年4月までに全て休止した。原発10基分に相当し、いまだに1基も再稼働していない。再稼働したのはLNGの姉が崎火力だけだ。JERAは全ての石油火力発電を休止した理由を「太陽光発電に押されて石油火力発電の収益性が下がったから止めた」と説明している。「押されて」とは、稼働率低下と同様な意味だろう。太陽光発電のせいにされている。しかし、これら15基の石油火力発電所は減価償却年数の15年をとっくに経過し固定費は発生しない。従って、太陽光発電の変動を調整する電源の設備利用率(稼働率)低下にかかるコストは、ほぼゼロである。

 簡単に太陽光発電の調整コストについて説明したい。需給が一致して火力発電だけで電気供給している時、急に陽が照り出し太陽光発電の電気が加わったとしよう。それに合わせて火力発電は同量の電気を、燃料フィードを落として減らす。火力の電気は太陽光電気に置き換わり、その分、火力の燃料費、則ち変動費(=可変費)が無くなる。調整にかかるコストは燃料を減らした時の固定費だけだ。変動電源調整のための、火力発電の設備利用率(稼働率)低下のコストと言われるものだ。調整火力電源の、それ以外の固定費と可変費は、元々の火力発電自体のコストであり、太陽光発電とは無関係だ。太陽光発電の調整に掛かるコストは、大きくは火力発電の固定費だけである。この固定費の一部が回収出来なくなるコストが稼働率の低下するコストである。

減価償却を終わり、殆ど固定費の発生しない高経年の石油火力発電所なので、可変費は前述の通り掛らないので、殆ど只で太陽光発電の調整に石油火力発電を使える。

石油火力を休止した理由は、太陽光発電の導入を難しくするためと、原発再稼働必要論醸成のためである。原発と太陽光発電は相互排他である。ひとえに、原発再稼働のためである。6月9日、JERAに確認すると、石油火力発電を再開しないということでなく、需給逼迫に備えて、LNG火力から順に再稼働していくということである。原発を再稼働する理由がない。


 石油がLNGより燃料コストやCO2排出が高い難をいうなら、多数の石油火力発電を最低限の石油燃料で、太陽光発電の調整の時の出力だけに備えて、待機運転しておく方法が有る。そうすれば、石油燃料をミニマムに抑えながら、太陽光発電の変動の調整幅を大きく取れ、太陽光発電が導入にし易くなる。使いきれない電気が出力抑制されたり、揚水発電に蓄電し切れず捨てられたりすることが最小限に抑えられる。電力需給逼迫は無くなる。一定発電しか出来ない原発のベースロードの下駄が、太陽光発電の調整幅を狭めている。その上、太陽光電気は余れば、その場で捨てられるが、原発電気の夜余る電気は、少なくとも送配電費用を回収する低料金で買われる。最悪、余っても、必ず揚水発電に蓄電され捨てられることは無い。需給の下駄を最小化し、太陽光発電の変動幅を最大化し、太陽光発電の導入を加速する。ピーク時の抑制は、あまり気にせず、導入を拡大することだ。単体でも過積載として既にやっていることだ。

 

2022年3月18日金曜日

東海第二原発いらない一斉行動 第三波を東海村で行なって来ました。

 私は、時々ですが、メッセージを書いた看板を掲げて原発反対のアピールをしています。一斉行動には同じスタイルで一人で参加させて貰っています。一波、二波は神奈川県の地元でやりましたが、3月5日、今回は、東海村でやろうと思い立ち、青春18切符を買って、普通列車で行って来ました。3時から2時間ほど、駅東口の東海村産業・情報プラザの入り口脇に、看板を掲げ、「女の子(愛称)」と「水戸地裁判決」のビラのセットを「自由にお取り下さい」と書いた台に置いて、横に座りました。

 今年の一月中旬頃、同じ場所でやった時のことです。偶々、東海村議会の議員の方から、「横浜から来たんですか。ご苦労さん」と声を掛けられ、お話を聞けました。「村民の反対の率は7割ぐらいで関東と変わりませんよ。村民の間で話題にしにくい。ビラの受け取りは関東よりも遥かに良いでしょ。」と言われました。ビラの受け取りは、その通りでした。私が、「そうなら、村議会は、何故、賛成議員が過半数なんですか。」と聞くと、「原発の方針を明らかにせず、当選している。」と言われました。

 今回に戻ります。座っていると、5、6人の大学生ぐらいの一団が、看板を振り返っているので、全員にビラを手渡しました。そのビラを一人一人が立ち止まって、皆、食い入るように見てくれました。私は、その様子を見て思いました。家庭でも仲間ともあまり話題に出ない、自分達の村にある原発を、今、消費地の関東の人々が、どう見て、どう思って、反対運動をどうしているか、を強く知りたいのではないかなと。

 東海村議会は、今、日本原電も理事に入る商工会が出した請願を、通すところまで来ています。請願の内容は、ありていに言えば、村内の経済のために、稼働する時に必要になる避難計画を、内容はいい加減にして、とにかく早く作ってくれというものです。村民に説明どころか、知らせないで進めています。東海村は距離と同じく住民の思いも、構成的に消費地の人に一番近い原発立地自治体ではないでしょうか。次回は、配るビラは今回と同じで良い、看板のメッセージは、何をどう訴えるか、車中で考えながら、横浜に帰って来ました。


2021年11月28日日曜日

東海第二原発に反対する関東圏の人は、東海第二原発周辺市村の反対派と一緒に集まり、「私は原発稼働のために避難はしたくない」とストをしよう。

 東海第二原発の再稼働については、周辺市村の意思が強く及びます。水戸地裁は福島のような過酷事故を起こす。放射能からの避難は不可能だと言って運転禁止の判決を下しました。事故の際に同じ被害者になるであろう横浜に住む私は、東海第二の周辺市村に再稼働を賛成されたら堪りません。

 私たちは福島で、原発の事故避難がどんなに悲惨なものかよく知りました。原発の深層防護に第五層があり、原発の稼働のために避難を強いられることは、原発無くとも電気が足りている、また、カーボンニュートラル達成が何年か遅れるが出来ないわけでない中、人権侵害で憲法違反です。

 私のように堪らないと思う関東圏に住む人と、周辺市村の反対派が一緒に集まり「原発電気は要らない、私は原発稼働のために避難はしたくない」と宣言しストをするのがいいと思います。政府と自治体は、このような人々を弾圧することも、「避難計画策定済み」とすることも出来ません。こう叫ぶことで、原発稼働が如何に人権侵害で憲法違反なものか分かり易くすると同時に、水戸地裁判決を強固にします。


2021年10月24日日曜日

第6次エネルギー基本計画の電源構成は間違いである。グレタさんは放射能を出してまでCO2を出すなとは言っていない。

  第6次エネルギー基本計画の2030年電源構成は大まかに四つのエネルギーに丸められる。「原発が2割、再エネが4割、石炭が2割、LNGが2割」。本来、計画とは目指すべき目標を立てるものである。そうなっていないから、この電源構成は間違いである。今回の電源構成を決める要因は四つある。

 一つ目は、「原発は可能な限り減らしたい」、

 二つ目は、「再エネは最大限導入したい。4割から更に高みを目指せる」、

 三つ目は、「石炭は減らさなければばらない」、

 四つ目は、「2050年カーボンニュートラルを実現したい」。

この四つの要因の解となる電源構成は、「原発ゼロ(2割減)、再エネ5割(1増増)、石炭ゼロ(2割減)、石油1割(1割増)、LNG4割(2割増)」である。

 基本計画は、一つ目と四つ目の要因が著しく相反すると言う。四つ目を立て、相反する一つ目を下ろす解を出したが、間違いだ。何故なら、一つ目の方が四つ目の要因より目指す重さが大だからだ。放射能の方が、CO2よりも環境に遥かに悪い。環境適合性だけでなく、安全性でもだ。カーボンニュートラル達成は下ろさなくとも2060年に延ばせば良い。そして、原発ゼロの電源構成を設定するのが正解である。福島事故の放射能の環境処理は、現に、こんなに困っている。原発をやめるためにカーボンニュートラルの実現時期が遅れて、日本を、どこの国が非難出来ようか。中国は2060年だ。グレタさんも、放射能を出してまでCO2を出すなとは言っていない。電源構成決定の要因に、もう一つ有る。「国民一人ひとりの省エネが肝要」。正解の電源構成は、その達成に、国民が意欲と責任を持って、即ち政府の言う「自分ごととして」目指せられる計画である。


2021年8月14日土曜日

第6次エネルギー基本計画案が8月4日に公表され、9月3日からパブリックコメントが募集開始され10月4日の締め切りが近づいています。計画案の、おかしな点を13箇所、指摘します。

 エネルギー基本計画は別に行われた「発電コスト検証ワーキンググループ」の報告と一体のものです。その内容について、次の点が、おかしいと思いませんか。

1.原発は安全だと言いながら、福島級の過酷事故を起こすことを想定していること。

 これは、原発の深層防護の第5層を設け、原発が過酷事故を起こし人間に被曝と避難を強要すことと整合する。3.11後、いつの間にか、原発の方が人間の上位に立っている。

 基本計画は、2000炉・年に一回、つまり、50基の原発が40年稼働して、その間に一基が福島級過酷事故を起こすという想定。 2000炉年とは、放射能の半減期に比べれば、如何に短いことか。 放射能を次々と地球上に堆積していくようなもの。今生きている我々だって、福島だけではない。沖合巨大地震も近づいている折り、11年も止まっていた後、再稼働したら発電開始から直ぐ44年に達し、事故率が抜きん出て高い東海第二原発こそが、さしずめ、計画が想定している福島級過酷事故を起こす原発の第一号なのだろう。

 なお、本文では「事故を二度と起こさない」とも述べている。だから、安全を丸投げした原子力規制委員会に避難計画のチェックを要求しない。政府と規制委が同床異夢であることを放置し、国民に悟らせない。

2.「脱炭素」の前に、より深刻な「脱放射能」が有ったことを、すっかり忘れ、「脱炭素」を「脱放射能」の先に立てる「物事の軽重の転倒」。

3.「規制基準への適合を審査するのであって、”安全”と判定するのではない」と、自ら言う原子力規制委員会に、原発の再稼働如何の帰趨を丸投げしていること。規制意は第5層のチェックさえしない。 

4.原子力規制委員会に委ねたはずの原発再稼働が決まったかの如く、プルサーマル運転でプルトニウムを消化するための原発の再稼働を必須とする核燃料サイクルを、脈絡もなく唐突にやると決めていること。

 彼らの挙げる、核燃サイクルをやる理由は、資源の有効利用にしても、高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減にしても確かなものでないこと。

5.使用済み燃料の処分を国民に要求するばかりで、使用済み燃料の発生を無くしたり抑えることは、端から頭に無いこと。このことが、国民の共感・協力を仰ぐために如何に肝要かを自覚出来ていないこと。

 「核のごみ」処分地が受け入れる"ごみ"は、使用済み燃料を更に再処理した後のゴミである。基本計画の文章は、支離滅裂に次のように述べている。

6.原発の欠点について、一言も触れていないこと。

 欠点1:ひとたび、戦争になれば、核弾頭を抱いてミサイルの標的になるようなもの。核先制不使用の条約締結が求められている折、その抜け道になる。

 欠点2:事故の発生、地震や避難への不備、データ改竄・隠蔽等で、直ぐ止まってしまう不安定供給電源。 

 欠点3:原発は原料発掘から保全廃棄までCO2の発生は少なくない上、冷却に用いた温排水を海に流す、海水温暖化装置。

 欠点4:太陽光発電の変動吸収の幅を狭め邪魔をする原発の硬直性の欠点に対しては、ベースロードという特権を与えている。

 欠点5;原発事故による土地の喪失を、広島、長崎と同じぐらいにしか考えていないこと。

7.原発電気のいわゆる、コストは、電気料金や税金として現世代に公然と請求出来るものの捕捉に過ぎず、自由財・公共財の毀損や、避難するコスト、将来世代が負うコスト、その他、お金の付けようのないコストが含まれていないという認識が全く欠けていること。(そして、一番大事な、晩発性の健康被害)

8.原発のコストに燃料費が入っていないこと。 

 燃料費に代わり、「使用済み燃料」を将来リサイクルする費用の「再処理費用」(「核燃料サイクルコスト」)の中のウラン燃料に計上されている。ーーーコスト等検証委員会 

 燃料を調達(ウラン燃料製造費)し装填されるまでの費用は発電後、「使用済み燃料」という資産に振り返られ費用認識されない。ーーー会計

 これは、4で述べた核燃料サイクルを、やると決めていることと直結している。燃料が国産で供給制約が無く低廉と言っていることと直結している。核燃サイクルが破綻すれば、「使用済み燃料」の資産を取り崩し、費用として全額認識しなくてはならなく、同時に再処理費用が無くなるはずが、再処理費用(会計)の太宗が埋没原価であり、取り消すわけにはいかない。結局、今の原発コストは燃料費の認識を先送りしているだけである。物的には、核燃サイクルが破綻すれば、今、処分場を見つけようとしている「核のごみ」処分が、再処理後の高レベル放射性廃棄物でなく、使用済み燃料そのものの高レベル放射性廃棄物の処分に変わる。

9.東京電力が、東海第二原発電気を火力発電コスト(石油火力26円/kwhぐらい)に近い価格で日本原電から買おうとしている時に、原発のコストは今だに11円/kwh台だと言っていること。

 東海第二原発電気の買取単価を東電は公表しないが、次のような事実が有る。2020年6月の株主総会で、日本原電から東海第二原発の電気を買い取る経済性について、たんぽぽ舎の山崎久隆氏に「買い取る目算は有るのか」と質問され、「日本原電が提示した買取単価より高いコスト単価の電源が、置き換わる自社の火力発電の中にまだ有る。」 と答えた。 

 NPO法人原子力資料情報室「東海第二原発の再稼働は電力消費者に資するか」(2020.2 松久保肇氏著)に依ると22.7円/kwh。

 東京電力が太陽光電気を買い取る価格は、4円から8円/kwhで、これと固定買取価格の差が再エネ賦課金になる。それでも、東海第二原発電気を買うと言うなら20円/kwh近い再エネ賦課金を国民に返還しなくてはならない。大手電力会社はこの賦課金の利得を原発維持に使う。    

10.太陽光発電の固定買取価格が、12円/lwh(2021年認定の10kw以上設備)と電気料金の半分以下になっても尚、再エネ賦課金が発生すること。

 消費地で生産され、謂わば、産した所ですぐ使える太陽光電気を、わざわざ一極集中発電所の大手電力会社に、回避可能費用で買い取らせているから。回避可能費用は、卸市場価格に連動して4円から8円/kwhの間で推移。(注)昨年12月、1月の卸市場価格の高騰は、原発必要論を醸成するため、賦課金を減らしても、JERAが2010年に全ての石油火力を廃止して仕組んだ一時のもの。この後、政府は流石にやり過ぎと思ったのか姉ヶ崎火力を復活し、石油火力廃止は認可制になった。

11. 住宅用や地上設置の太陽光発電所から電気自動車に直接に給電するという、促進する両者のシナジーを追求していないこと。

 (注)シナジーの効果:太陽光発電所の発電量の多い時に給電し、雨天や夜に放電のみする、否応無いが負担の無い「ディマンドレスポンス」が、全国の電気自動車が大きな蓄電池となることで仕組まれる。同時に、電気自動車の動力が「放射能」や「CO2」から完全に無縁になる。需要家が電気を受け取りに行くので、送電が不要になる。電気自動車が災害停電時に太陽光発電所から被災地に電気を持ち届けられる。再エネ賦課金が完全に無くなる。

 大手電力会社は太陽光電気を買い取り再エネ賦課金を貰い続け、それを原資に原発を維持し、再稼働の暁には夜、駐車中の電気自動車に夜、余る電気を売りたい。しかし、こうして、発電中の太陽光発電を直接、電気自動車に給電すれば、再エネ賦課金は無く、電気自動車の動力が、CO2だけでなく、放射能からも無縁になる。また、トヨタは電力の系統からの供給体制を崩したくない。

12.住宅を始め施設、ビル、駐車場に空きスペースがいっぱい有るのに、太陽光発電の適地不足を声高に言うこと。

13.ALPS処理水(正しくは事故汚染水)について、「関係者の理解無しには処理水を処分しない」との県漁連との約束が有るにも拘らず、計画案の「福島事故後10年の歩み」の項で平然と、海洋放出を行うと言っていること。

 これは、4項に述べた、核燃料サイクルをやると決めていることと直結している。燃料デブリに触れた福島の事故汚染水も、「六ケ所再処理施設」で被覆菅を破り再処理に使われる水も、核燃料に直に触れた水はトリチウムを大量に含む。稼働すれば、「六ケ所再処理施設」は、毎年、福島事故汚染水の四倍ものトリチウムを含む水を、普通に海に流す。福島事故汚染水を海に流してはいけないということになれば、「六ヶ所再処理施設」は稼働出来ないということになる。

14.安全神話は、国民がエネルギーを「自分ごと」として捉えておらず、知識・理解不足だったからと、今後は、国民の理解を深めるコミュニケーションを充実させ、国民の原発に対する不安感、政府と事業者に対する不信感・反発を除くと計画をしていること。

 安全でないと分かった原発を尚、進めようとする人々が、国民の原発に対る恐怖を緩和するために何をどうコミュニケーションするかは、原発安全神話に代わり放射能安全神話の流布か或いは原発の防護層が何重にも有るからよく知って事故を覚悟して逃げる練習をしろと言うしかないではないか。


2021年3月9日火曜日

原発のDNA

原発は危険なので、

特に狭くて地震国の日本では

立地するために

絶対安全と言う他なかった。

言った手前、

安全対策は不要になった。

金縛りのように安全対策が打てなくなった。

危険なものを人倫に背いて敢えて入れる時の必然。

それが安全神話。

過酷事故が起こった後、初めて安全対策を打っている。

それが安全神話の必然。

絶対安全と言った人が

神話を一番信じた。

恐怖と責任を忘れるために神話を信じるほかなかった。

ミイラ取りがミイラになった。

自分たちの安全作業さえおろそかになった。

原発が危険だけではない。

それを扱う人間固有の弱さがもっと危険。

これが、原発の危険の本質。

どこまでいっても、拭い去れない。





2020年10月26日月曜日

おかしくはないか、太陽光電気が10円/kwhになってもなお、賦課金を払わなければならないことを。かたや、原発電気はその2倍もの価格で普通に買い取られることを。東海第二原発電気の買取単価と太陽光電気の回避可能費用は何故、違う。再エネ賦課金が原発継続のために流用されている。 太陽光発電は原発を完全に代替出来るほど安い。太陽光発電を振興する施策、実は全て原発延命のため。。

 東電は昨年6月25日の株主総会で、日本原電から東海第二原発の電気を買い取る経済性について、たんぽぽ舎の山崎久隆氏に「買い取る目算は有るのか」と質問され、「日本原電が提示した買取単価より高いコスト単価の電源が、置き換わる自社の火力発電の中にまだ有る。」 と答えた。 

 東海第二原発よりも高い火力の電源が自社に有り、それに置き換えて損は無いから買う。 財務的にも支配力的にも東電の一原発に違いない日本原電の原発を再稼働するというわけだ。 

 (動画1) たんぽぽ舎 山崎久隆氏の東電株主総会の報告「六ヶ所村再処理工場〜新規制基準ー審査書案ーでは何が問題か(2020.7.4)」中の 2:18:23から2:26:57の間  

 

 火力の中で一番高い原油火力の一般的コストを推算すると、2020年、kwh当たり24円( 2015年の発電コスト等検証ワーキンググループの原油火力コスト37円/kwhの内、6割を占める燃料費の原油が100$/blから40$/blへ低下したことから推定した)。  
 東海第二原発電気の買取単価は、東電は公表しないが、NPO法人原子力資料情報室の松久保肇氏に依るとkwh当たり22.7円(福島事故で止まってからの維持費を補填するため、東電が8年間に払った基本料金は2022年12月稼働後の電力料金の前払いに他ならないことから含める) 
 しかし、大手電力会社が、固定価格買取制度の下で太陽光電気を買い取る時の買取り単価は、2020年度、kwh当たり5.4円である。
(参考文献1)NPO法人原子力資料情報室「東海第二原発の再稼働は電力消費者に資するか」(2020.2)  
 太陽光電気は、電源設備コストをかける必要と価値が有るから作る。そのコストは「固定買取価格」と同じ。そのコスト単価が大手電力会社に買われる価格より高いから、その差が賦課金で補填される。その買われる価格が「回避可能費用」(単価)。
 東海第二原発電気は、福島事故で止まった後、次のコストをかける必要と価値が有ると言い作る。東電の資金支援金が使われる追加安全対策工事費(単価相当6.8円/kwh)、福島事故後の未稼働中にも収受する電力料金(3.5/kwh)、福島事故賠償の一般負担金(0.7/kwh)の三つのコスト。買われる価格は、残りの稼働可能年数16年で、これらを、回収できる単価を事故前の料金11.7円/kwhに上乗せした単価(事故前の料金は既に償却が済んだ2005年度から2010年度の平均)。  
 今、太陽光発電の産業用低圧50kw以下の「固定買取価格」は12円/kwh。太陽光電気のコストが東海第二原発電気(22.7円/kwh)のほぼ半分に下がっても尚、このコストを払うために東電は国民から6円/kwhほども賦課金を徴収している時に、原発電気なら2倍ものコスト通り払って、原油火力より安いから買い取ると言う。
 太陽光電気の 「回避可能費用」は、太陽光電気を買い取り入れることにより本来、予定されていた発電を取り止めることにより支出を回避し免れる費用。「回避」とは、東海第二原発電気が「置き換える」ことと全く同意である。この回避可能費用の算定基準は、従来は全電源平均可変費や火力平均可変費の原価ベースだっやが、2016年4月の電力全面自由化に合わせ、河野太郎氏も異議を呈した通り、市場価格連動(卸市場価格)に変わった。太陽光電気は変動電源なので、一番高い限界的電源の火力発電の可変費を回避しているから、また、新電力が卸市場から調達する時の価格であり整合するという理由だった。改訂の当時、市場価格が従来基準の原価ベースより高めに推移していたこともあった。しかし、日本卸電力取引所の月平均価格は、固定買取価格制度が始まった2012年以来、いずれの年も、原油火力の可変費にも達することなく推移し終始した。卸市場価格は電気が余る中では限界的電源の原油火力の可変費を越えないのが常態だと分かる。卸市場価格を昨年末から年初にかけて起きた価格急騰のようなことを無くして、玉の出し手の大手電力会社は低く抑え保つことも出来る。太陽光電気が市場に余らされ自らの価格を侵蝕することもある。尚、新電力の調達コストは市場価格によりただ低くなれば良いが、そうではなくて託送料に大きく左右される。 
 (参考文献2) 河野太郎氏著 河野太郎公式サイト「ぼったくりを無くせ」(2014) 
 回避可能費用はどう見るべきだろう。太陽光電気が何を回避してきたか。福島事故以来、原発の廃炉や停止を火力発電と共に埋め合わせ、原油火力可変費というよりも、原発を置き換えてきたのではないか。原発が算定基準に反映されたと考えられるのは、当初2年間の全電源の平均の中の一部、しかも可変費だけという僅かに過ぎない。使用済み燃料を資産計上する原発の可変費は安い。また、固定費と可変費を合わせた総コスト は10.1円/hwhと言われてきた。「回避可能費用」は、正に東海第二原発電気の買取価格22.7円/kwhであり、少なくとも、福島事故停止後の未稼働中の料金は除いた、15.9円/kwhに減価償却を含めたものである。 
 東電は賦課金を不正に貰い過ぎていた。国民から余計に貰った賦課金の総額を、東海第二原発電気の買取価格15.9円に減価償却を加えたものを回避可能費用とし、適用された回避可能費用との差 
東電に聞いても教えてくれなかったが、各年の太陽光電気買取量について算出すると総額1.3兆円。因みに、固定価格買取制度が始まった2012年から8年間の東電の太陽光電気の累積買取量は1000億kwhに対し東海第二原発電気の年間発電量は62億kwh。 因みに、この賦課金総額の内、原油火力可変費を回避可能価格が下回る部分は 千億円。 

一番高い電源でなく原発に、置き換え対象を変更 

原発置き換えの太陽光 に対し ましてや、それより高い東海第二原発電気を入れる とんでもない 10.1円tぴってきた。

 何に使われたか。隠された資金は、何時も、隠したい或いは不適切な原価や支出に充当される。原発電気はkwhあたり10.1円しか掛からないと、兼ねてから言ってきた東電は東海第二原発電気を愈愈、買い取る段になって、その、かけ離れて高い価格を公表しない。原発の総括原価方式下の今の経理にはキャッシュか費用かの区別は重要ではない。賦課金を余計に貰った資金は、原発の再稼働に備えて待つ支出や費用に充当された。管内の太陽光電気の買取りを殆ど独占し、東海第二原発のように金を掛けた原発電気を、買わなくても作る他の大手電力会社も東電と同様である。福島事故の直後、原発に代わるエネルギーの普及のためならやむなしと国民が負担を受け容れた再エネ賦課金の相当な部分が、太陽光発電の普及促進でなく原発の継続のために流用されている。賦課金のこうした間違いを改めることは、単に電気料金に振り替わるだけではない。太陽光発電は格段に安いことが正当に認知評価されると同時に、原発は隠されたコストがあぶり出される。賦課金が原発へ流用された上、今、原発コスト22.7円/kwhで再稼働されようとしている。  

 

 再エネ賦課金は、国民が福島事故で、只、事故で止まった原発の電気を補うだけでなく、このまま原発をやめられるならと、その負担を受け容れた。「固定買取価格マイナス回避可能費用イコール賦課金」の固定買取価格が高かったのは当初2、3年だけで、回避可能費用が安いから賦課金が高い。回避可能費用に対して、特に新電力ができるまでは、総括原価方式の中で賦課金は電気料金との振り替わりという諦めの気持ちもあった。それでも、原発の再稼働さえしなければ、させないという気持ちもあった。しかし、国民の原発代替の願いを託した、原発再稼働に備えた維持費に流用した上、原発を代替してきた賦課金を無いものかの如く東海第二原発を再稼働しようとする。原発に流用された上、今頃、27.2円/kwhと白状する。国民は踏んだりを蹴ったりである。原油火力より安いコスト単価を突きつけられ、再稼働すると言われれば話は違う。ならば、回避可能費用は正に東海第二原発電気の買取価格22.7円/kwhで、回避を行使せざるを得ない。そうすれば、賦課金は無いばかりか、固定買取価格12円/kwhを超える10円/kwhほどの賦課金が国民に返還される。今から振り返れば、福島事故後、原発が再稼働している時に回避可能費用を原発コストにすべきだった。ただし、10.1円でなく真のコストに。原発のコストは分からない。「回避可能費用」も分からない。原発が回避される結果なら、それでよしだった。東電は国民の気持ちに漬け込見続けたが、馬脚を露わした今こそ。  

 

 

 


原発に流用した賦課金でもって太陽光発電は高いという

FIPで流用される賦課金の延命を図る。FIPとは市場連動を一年単位から月単位への変更に過ぎない。流用を市場が隠す。

太陽光潰しのようなこと、いや、潰しが、原発を生かすために行われている。

原発は変動電源の再エネ導入の邪魔をする。 
 (動画2) 総合資源エネルギー調査会基本政策分科会第30回2020年8月26日) 松村敏弘委員の意見 12分0秒から20分3秒の間
 第6次エネルギー基本計画の策定の初回会合における松村委員の意見からも分かるように、エネルギー基本計画は太陽光発電は賦課金の負担が大きいからコスト高とする。今後も、太陽光発電が増えると賦課金負担が増えると言う。しかし、これは完全な間違いである。付加金のコストは埋没原価であり。今後の太陽光電気には一切関係無い。それよりも、「固定買取価格マイナス回避可能費用イコール賦課金」の、賦課金が増えるのは回避可能費用が不当に低いからである。固定買取価格が現に12円/kwhと電気料金や原油火力の半分以下になっても、賦課金が何故要るのかをおかしいと思うべきである。固定買取価格が高過ぎたのはFIT導入当初2,3年だけである。その後は、その時々の太陽光発電コストとしては、固定買取価格と一致するものである。本当の「回避可能費用」を固定買取価格が下回ったある時点から、太陽光電気をコスト通り買って、太陽光発電がいくら増えても賦課金が増えることはない。 負の賦課金、即ち戻してもらう賦課金さえ発生している。 太陽光発電は原発を完全に代替出来るほど安い。太陽光パネルは韓国や中国製品を買えば良い。20年ではない。40年間自分のものである。
 太陽光発電の電気を、一旦連系線に繋ぎ込むと、系統全体の同時同量、周波数維持のルールに従う必要が生じる。それが、即、地産地消の電気をわざわざ離れた一極集中発電所に渡し、そこで他の電源と十把一絡げに扱われ、賦課金を生じることと、送り返して貰い託送料が掛かることと根は一つである。これに乗じて賦課金で原発の便宜を図る資源エネルギー庁は流石に後ろめたいのか、今頃、盛んに自家消費を薦める。太陽光が発電した場所で本来固有の価値を生かして使うことである。送電容量も使わなくていい。必要なら最低限の末端の配電網を解放して貰ってもいい。太陽光電気のこうした試みや生かし方を新電力と自治体に委ね任せるべきである。太陽光を広める眼目は、電気自動車へ太陽光発電所から直接の給電と、太陽光発電の設置場所を工夫し、敵地を拡大する二つでわる。全国の電気自動車が大きな蓄電池になり太陽光発電の変動性の難が解決する。太陽光発電の適地不足はゴルフ場を、放っておいて嘘である。まだまだ、工夫をすれば、いっぱい敵地は有る。日本の各家庭が、屋根上に太陽光発電と電気自動車とエコキュートのセットを持てば、簡単にエネルギー事情が変えられる。太陽光発電量に応じて給電し、雨天や夜には給電しないのでデマンドレスポンスが完璧になる。航続距離は少ないが、老齢化社会に合わせて鉄道を利用すればいい。燃費はガソリン車の10分の一。将来は商業輸送用には交換式バッテリー或いは、充電不要な屋根搭載太陽光パネル車も間近である。電気自動車の走行中だけでなく、その動力獲得においても原発電気を使わないCO2削減効果が完璧になる。原発電気を使うからと電気自動車に反対してはいけない。その普及と太陽光発電とのシナジー効果を追求することが、原発電気を駆逐する強力な方法になる。災害、非常時或いは戦時に一極集中発電所からの送電が途絶えても、太陽光電気を、分散したその場で使えまた、移動し持ち届けられる。 
 原発無しでやるには、太陽光発電の格段の導入拡大が必須である。それが出来るのも太陽光発電だけである。だから、政府と電力会社は原発の便宜のため太陽光発電の普及を妨害する。再エネの2030年の目標電源比率22%の半分近くは、福島事故以前に既に在り、しかも原発と調整電源として利益相反する揚水発電も含む水力であり、いまだ、太陽光発電は7%にも達しない。風力は1%以下である。工夫すれば地方と共生しながら設備設置の適地はいっぱい有る。駐車場、倉庫、営農型、鉄筋コンクリート建造物の壁面や屋上、まだパネルの付いていない一戸建ての屋根もいっぱい有る。ましてや、屋根や壁の代わりにもなりうる。エネルギー基本計画は「S+3E」の各項目の評価を、原発については真反対に間違えている。 安全性Sは、安全とは言わないで、適合基準に合っているかどうかを見ているだけと言っている原子力規制委員会に安全を丸投げしている論理破綻を臆面もなくしている通りである。安定供給性のEは、国民に支持されていないこと、事故や差し止め判決がいつあってもおかしくない、一つで全てが止まることは不安定の最たるものである。資源エネルギー庁は太陽光発電の適地不足を論うが、原発が周り一帯に人が住めないこと、一旦、事故を起こせば土地の喪失さえ起こることは言わない。経済性のEは
 
 太陽光発電は戦争しなくていい電源である。太陽光発電と風力発電は有り余る自由財を原料とし確立し脚下に在る技術である。外に求める必要の無い自給自足のエネルギーである。確立していない技術を総花的に、多様化を追う必要は無い。水素は電化の叶わないエネルギーの脱炭素において功を奏すもので、原子力発電を代替する効果においては太陽光発電に遠く及ばない。グリーン水素は再エネ変動電源の蓄電池としての意味以上のものでは無い。また、依然、原料を外に求めなければならない。原発は一旦、攻撃対象になれば脆弱だ。原発運転が電気の生産よりも「再処理」が目的かの如く、原発が、「再処理」の原料を生産する上、「再処理」の産出物のプルトニウム消化のMOX運転を担う。全てリスクの倒錯だ。原発代替を目指し、太陽光発電に投資を絞り、どこまで出来るか確かめなければならない。2050年の脱カーボンは脱原発とのセットでなくてはならない。どちらか一つなら、脱原発でなければならない。そうでなれれば、放射能よりもCO2を怖がるという、脅威の軽重の判断と防御の優先順位の分別 における倒錯である。


 



2019年11月12日火曜日

在職老齢年金改定では国民年金生活者を大事に

 私は、今年1月から8月まで交通誘導員のアルバイトを行った。
働いても年金を減らされる心配は全くない。何故なら、年金はせいぜい6・7万円の国民年金か無年金で、賃金は20万円を超えることは無いからだ。合わせた収入は在職老齢年金制度の減額対象下限より遥かに低い。厚生年金の受給者はいやしない。
 前の晩、明日はどこの現場へ行けという指令があり交通費も出ず、それでも仕事があることに感謝しながら、自分の働きが悪くて辞めさせられないかと戦々恐々と勤めている。いつ辞めさせられても仕方のない足や耳の悪い人も多い。対人恐怖症やアスペルガーで危険予知シートが書けない人もいる。そんな人達がやっとありつけた仕事が警備員なのだ。しかも非正規で。仕事内容には楽なものも多くあり、そのような人達を配置してくれるからだ。私は、高齢者に厳し過ぎる若い職長と衝突し、実は減額対象下限にいかない厚生年金受給者だったので辞めることもできた。同僚の多くが、我慢し頑張っている。心配なのは、減額対象下限の47万円は十分すぎる収入であるし、これが引き上げられて就労する人が増えれば、この同僚達の仕事を奪いかねないということだ。年金2千万円不足問題から国民年金生活者を置き忘れた政府である。安倍政権に働き方改革で言われるまでもなく、独立自営や転職を重ね人生に果敢に挑んだ人達が多い国民年金生活者や無年金の人達を大事にしてほしい。在職老齢年金の対象者が厚生年金受給者で、しかも年金の内、報酬比例部分しか47万円に算入されないことは、この後知った。

2019年10月5日土曜日

太陽光発電の失政

3.11後、今後のエネルギー政策を考える時に、原発をやめられるならやめたいという切実さが足りなかった。そのことが原発に代わる電源種の切実な追及もなく、総花的電源種を許し、太陽光や風力で世界に逆転され取り残される、中途半端を招いた。
原発が無くても、エネルギーは当面の火力の増加で十分凌げることを見越し、最も可能性の高かった太陽光発電に絞るチャンスをみすみす逃がした。賦課金が累計的ミニマムになるようゆっくり、慎重に普及することができなかった。賦課金の増大が太陽光発電の普及の足枷になるパラドックスに陥ってしまった。原発をやめなければという熱意さえあれあば、FITという市場原理に任さず、国が自ら太陽光発電を計画的、経年的にやる方法もあった。国民は賦課金という将来電気代となる確定債務を背負ってしまったが、今からでも取り返しが効く。
取り付けた家庭だけでなく、太陽光発電所の周りの家庭で自家消費すれば、電気料金の方が固定買取価格を上回る平成2015年度、固定買取価格適用分以降分(住宅用は2018年度)は、すぐさま卒FIT出来る。一般電力会社に回避可能価格で買い取って貰わなくとも、ほぼ電気料金で近所の家庭に売電出来る。電気代が上がる将来は割安価格も可能だ。
送配電線に乗せないで、自営線によるので周波数問題もない。一般電力会社が2014年以降、送配電線への投資を減らしていることとも整合する。野立ての場合、ケーブルで引いて各々の家庭にコンディショナーを移せば、災害停電時、自立運転も可能だ。また、九州電力のように太陽光発電を抑制することもない。
せっかくの分散電源を一極集中発電に取り込むのでなく、生産だけでなく消費の面からも真の分散電源として活かしさえしたら、災害停電時の日中に電気を供給でき、太陽光発電電気を抑制なくフルに生かせ、何よりも賦課金総額が大きく減らせる。一席三丁である。