2015年5月17日日曜日

長期エネルギー需給見通し小委員会について

長期エネルギー需給見通しの骨子の基本方針は、安全性を大前提に、①自給率を震災前を上回る水準に改善 ②電力コストを現状より引き下げる ③欧米に遜色ない温室効果ガス削減目標を掲げ世界をリードする という三つの同時達成としている。ここでの「安全性を大前提に策定された」の意味は、「安全性を重視して議論する」こととは程遠く、単に「安全なものと見做した」といったことでしかなかった。

原発の危険性の斟酌については、僅かに貨幣測定できた事故コストを単価に含めた他は、原子力規制委員会に丸投げしている。そして、この会議で決まるエネルギーミックスは、去年4月に公表されたエネルギー基本計画を踏まえて、その方針通り原発をベースロードとして用いるという成り立ちである。そのため、この会議では太陽光と風力の否定を代償に原発の良い面のみが徒らに強調され、ネガティブ面が全く取り上げられないという誤謬に陥った。こうして、原発の安全性を置き去りにしたまま、上記の三つを追求するだけの危険なものになっている。元になったエネルギー基本計画自体は、原発が無しでいけるかどうか突き詰めて究明された経緯は無いことはもちろんである。

原発の帰趨に比べたら、国民には基本方針の三つの項目の達成は二の次である。福島後のエネルギーミックスの一番の勘所は再生可能エネルギーが原発に置き換わり得るかどうかという点である。原発に反対する国民も容認する国民も、供給の安全性を確保するためには、需要がどこまで減らせられ、三つの項目が、それぞれ、どこまで叶わず、どこまで耐えられるかを徹底究明してほしいというのが本当の気持ちである。自律持続的エネルギー節減もし、再エネ賦課金も払って、しかも原発ゼロが達成され電気は十分足りている今、国民の気持ちからすれば当然である。とどのつまり、再稼動が無い場合のエネルギーミックスを作り上げる、否、作っておくということである。そして、その場合、何が困り、困りながらも耐えられる範囲か、耐えられないならば解消する術があるかどうか。出来ないなら出来ないでいい。どこがどう出来ないか徹底究明することが、この会議の役割だと思う。そうすることで初めて極限を打開する国民の力や工夫が生まれることもある。こうしておけば、再稼動する原発が実際あっても他エネルギーとの振り替えは如何様にもなるではないか。この徹底究明の関門は基本計画でも通らず、福島のことを思えば、ここで一度、謙虚に自らを追い詰める態度でやっておくべきことである。

会議では、上記の基本方針の三つの点で原発に代わりうる他エネルギーは無いと言うことに汲々とし、原発の良いところのみを拾って、決定的欠点を無視してしまうという間違いを犯している。つまり、①の安定供給の点では、事故のみならず、被弾の惧れが有る状況では在るだけで危険な原発は全て長期停止が必至であること。②の経済性の点では、原発の危険の本質である金額測定できない謂わば無限と言ってよいコスト。③の環境の点では、言わずもがなのCO2の比でない放射能の生物自然破壊と使用冷却水放流による温暖化。これらが一切無視された。
一方、太陽光発電コストは本当は電気代の6割(注1)と安いのに、固定価格買取制度(FIT)の買取期間の20年を安易に稼働年数とすることにより隠蔽された。つまり、太陽光発電や再エネの耐用年数が買取期間まで短縮された結果、FITの高い買取価格そのものがコスト単価に摺り替わる誤謬に落ちた。普及付随コストをコスト単価に含めてよいのは、それが正しく太陽光コストの補填を形成している場合に限られる。普及付随コストが無条件にコスト単価に包含されるのではない。原発と同列を強いる付随コストを含めるコストの考え方がこの誤謬に鈍感にさせたのだろう。この嘘のコストが障害になるとして、2030年の太陽光発電を7%、749億kwhに止めようとしている。この数値は、接続保留問題の20146月時点認可量7,178kwで叶えられる792億kwhで既に達成されている。太陽光の今後2030年まで15年間の普及をゼロとするつもりなのだろうか。住宅の屋根がまだいっぱい空いている。何かの間違いではないか。委員の誰も指摘しない。
本当のコストを正しく皆がしっかり了知さえすれば、ほっといても普及するものを、FITによって国民にコスト高と思わせ国民の賦課金負担を大企業や外国資本に移転しただけで太陽光の普及を突然梯子を外すように打ち止めにするエネルギーミックスである。
買取価格など撤廃して並行して政府自身が国営とし設備投資する方法もある。そうすれば正味コストで設置できるので今の電気代を更に下げられるが、FITの修正は小手先以上は真剣に議論されていない。また、太陽光や風力の蓄電技術について真剣な究明も無いまま系統不安定化の欠点のみ喧伝された。
住宅用太陽光と住宅用小型風力で地産地消を促進する絵は最後まで示されなかった。安全を第一に確保してなお三つの課題を同時達成するに絶妙である地産地消埋電源の埋没を代償に、原発の中央管理型電源が優遇されたものである。
結局、世界では最も原発代替のホープである、太陽光と風力が、嘘のコストと最初から突破を諦めた系統安定問題が理由で、太陽光7%、風力1.7%合わせて僅かに8.7%というものである。

骨子は今回のエネルギーミックスは今後の動向により、少なくとも3年ごとの基本計画の検討に合わせ必要に応じ見直すと結ばれている。見直しがどうあれ、福島事故があった直後のエネルギーミックスが最も大事である。方や、原発全基の再稼動、稼動年数延長を織り込み、方や、容易にまだまだ普及しうる太陽光や風力の普及を見込まない、今後の有りうる自然の趨勢に露骨に逆行する策定結果である。こうはならない転倒妄想的なエネルギーミックスではあるが、基本計画が知らない内に今回のエネルギーミックスの根拠にされたと同じに、このエネルギーミックスが再稼動、いや、安全規制委員会の出す合格判定の根拠、否、合格に弾みをつけるようなことだけは許してはいけない。そして、国民が太陽光と風力の普及を諦めてはいけない。

(注1)「太陽光の発電コストは15.2円/kwhと安い」参照


2015年4月19日日曜日

太陽光発電を国民負担なく普及する方法

再生エネルギー発電比率を国民負担を増やすこと無く上げる方法がある。
簡単である。それは、太陽光の真実のコストを皆んなが了知することである。
太陽光は15.2円/kwh電気料金の6、7割であり安い。了知されれば、固定価格買取制度など無くともほっといても普及する。もし、了知が徹底しないならば、野立ては正味コストで国が設置すればいい。国の意思の及ばない個人所有の住宅屋根や遊休地に設置する太陽光のみ電気料金に近い買取価格で制度を残せばいい。原発なくても足りている。太陽光の普及を急がず慌てず着実に、しかも個人住宅にやっていけばよい。そうすれば、賦課金の負担は緩和されるし、個人に買取マークアップで還元される。

投資後の原燃料費や維持費の無い太陽光は初期投資と寿命で殆どコストが決まる。エネルギー種別コストを担当する発電コスト検証ワーキンググループにおいて太陽光の寿命、即ち稼働期間は突き詰めて確かめられなかった。固定価格買取制度(FIT)の買取期間20年と稼働期間は何の関係もないはずなのに安易に同じにされた。この同一化は固定買取価格にコスト単価にが歪められて一致することを意味する。何故こうなったかというと、現状の普及誘引費用をコストに含める方針がまずあって、買取期間を稼働期間としさえすれば安易に足れりとしたためである。つまり買取価格マークアップが正しくコスト補填としてコストを構成しているかどうかのチェックが置き去りにされた。
コスト検証ワーキンググループは住宅用太陽光のコスト17.5円/kwhのものを29.4円/kwh(平成15年度固定買取価格33円/kwh)、産業用太陽光コスト15.2円/kwhのものを24.3円/kwh(平成15年度固定買取価格27円/kwh)と算定した。とんでも無いことである。
こんなことだから、寿命の検証のみならず固定価格買取制度の改善など考えも及ばない。

サンクコストは選択前、付随費用は選択後発生する。それらを外して、まず、今始めたらの、ありのままの裸のコストによりエネルギー種別選択について考量することが肝要である。今投資して何年の寿命か、その寿命で投資額を回収するには何円/kwhの収入が見合うか(即ち資本回収)がコスト単価(円/kwh)である。投資額を稼働期間に亘り毎年ソーラーローン金利2.3%で割増した収入年金で回収する、即ち現に投資借入額の均等返済が出来る収入である。特に住宅用太陽光は、今投資して電気料金と比べてどうかの観点が、今一番重要である。原発の事故コストや政策経費は別掲すれば足りることであり、況や他のエネルギーにも横並びを強いて付随費用をコスト単価に紛れ込ませてはならない。
今投資するのであって2030年ではない。地産地消型電源は裸の正味コストが一番大事で本当のコストである。

住宅用太陽光が飽和すれば発電比率15%に達し原発の発電量を代替できる。民生用エネルギーを住宅用太陽光で受け持ち、民生用に流れる原発電気を無しですまし、民生用に流れていた火力電気で産業用の原発電気を無しですますという代替である。賦課金があれば売電収入を介し個人需要家に還元される。
「系統安定化と出力調整」の問題に関しては、住宅用太陽光はもともと送電網の負荷が少ない。また蓄電を集中型から分散型に変えていけばよい。米国テスラモーターズが1kwあたり4万円の家庭用リチウムイオン蓄電池を開発した。太陽光発電システムのわずか十分の一の金額を占めるだけだ。民生用エネルギーの永遠の究極の自給がなり、CO2がもろに削減できる。さらに、究極の自給は安全保障に絶妙であり多くの関連コストが削減できる。安いことを周知し、住宅用太陽光を主体に普及させることで殆どの問題が解消される。

エネルギーミックスパブリックコメント」に戻る。


次の記事は「
固定価格買取制度で歪められる太陽光発電コスト」を読んでください。




2015年4月5日日曜日

温室効果ガス削減の出発点は何時

政府は放射能を今、だだ漏れにしておきながら、温室効果ガスの削減目標を立てる資格が有るのだろうか。今、日本が日本にしかできない、やらなければならないことは、そんなことより、CO2削減のために原発を使ってはいけないと世界に訴えることである。CO2削減目標は対外的に猶予される大義名分は立つ。事故と今悪戦苦闘していることを素直に世界に白状し詫び、原発輸出を止めれば、CO2削減目標の減免と猶予を貰えば良い。
原発は、ウラン精錬過程で莫大なCO2を出し、冷却水排水で海を温め地球を温暖化する。仮にそうでないとしてもCO2削減のためにいつかは放射能を出すものを使うこと自体が、同じ環境に対して軽重の転倒であることに気づこう。
日本国民に福島後一度も原発の是非を問わずにきたが、国民の 非とする総意を、原発の電気の減少対応に当面専念しCO2削減は可能な範囲で対応にとどめたいとの旨で世界の国民に表明すれば、世界は猶予を与えてくれる。将来、日本は世界に原発を用いないCO2対策を広め指導し貢献すれば恩返しできる

政府は、太陽光が原発を代替する場合、調整のための火力の焚く量が増え、CO2の排出量が増えるとの刷り込みを行っている。太陽光発電コストは高いという刷り込みに続く、太陽光発電を不当に評価する第二弾である。真実は、太陽光を増やした時、調整電源の火力が増えるのは、焚く総量でなく焚く量の変動幅の拡大に伴うキャパシティーである。長期エネルギー需給見通し小委員会事務局は、太陽光を日照時以外に火力を焚いて補い、原発の一定発電に置き換えた 図を用いてCO2と自給率の悪化を殊更言っている。原発の一定発電しかできないことは、夜に過剰発電となり現に揚水発電での蓄電を要する欠点である。火力を焚いて、この欠点を守るような図示と説明である。
角を矯めて牛を殺すような詭弁ではないか。太陽光のピークカットという長所の牛は生かしながら使うのが当たり前ではないか。ベースロードが必要なら原発に依らずLNG火力をベースロードにカテゴリ変えして、太陽光発電量が需要を突き抜けた頂上部分に合わせ、LNG火力のベースロードを薄くし吸収すれば簡単に済むではないか。
この点はエネルギーミックスを決める一番重要な点にも拘らず、事務局の説明に委員から質問さえ出ない。本当にそうか。打開策はないか。喧々諤々頭を寄せ合い知恵を出し合ってもらいたい。政府が調べた事や試案を対面した委員に説明した後、委員の質問や意見を一通り聞き終わり皆んなが忘れかけた頃に事務局が申し訳のように答えるだけという会議進行は、国民の今一番大事な事を預かっている会議とは思えない。



福島から4年経過し原発ゼロのを出発点とすれば、出発点のCO2排出量が高いので分母が大きく、削減期間が短縮する分、分子が小さく、結果2030年の削減率は、小さくなる。これが当然なのである。ところが、世間体というか世界体を気にして、出発点原発発電比率20%以上の福島事故前にするということは、原発回帰したエネルギーミックスに依らざるをえない。出発点と基準年を混同してはいけない。削減行動とは無関係の計算分母だけの基準年である。見栄えを良くする削減の率が先に有りきで、基準年をどうとも選ぶことができる。福島前を出発点としたから、福島後の2013年を基準年に26%削減という欧米に遜色ない高い削減率を提示できている。将来のエネルギーミックスに原発を含んでいるという、それだけのことである。
でもこんなに福島に苦悩しているのに何に遠慮し福島前に立ち戻らなければならないのだろうか。野田政権時の2030年までに原発ゼロを国民に無断で撤回したのだから、福島後最初のエネルギーミックスの決定になる。世界の国民に日本が福島の後処理に悪戦苦闘していることを正直にアピールすれば、原発の無い現実のエネルギー構成を出発点とするCO2削減目標を許してくれるはずだ。福島の事故の時、政府は頑なに外国の支援を断ったが、CO2削減でも同じ失敗を繰り返してはいけない。こと原発に関する限り、国の国民置き去りのプライド等無しにして、お互いに正直に助け助けられの外交で良いのである。
長期エネ需給見通し小委員会で一番重要なことは、原発ベースロード電源というエネルギー基本計画の方針を踏まえることでなく、福島事故が有ったから国民はどうするかを福島後のエネルギーミックスに明確に織り込むことだ。






2015年4月2日木曜日

固定価格買取制度の修正

固定価格買取制度(FIT)は二重の意味で失敗である。但し、修正の効く失敗である。

3.11直後、原発が止められると願い国民は賦課金を払い始めたが、基本計画でベースロードとされ、又、接続保留問題で太陽光普及の可能性が見えても太陽光の不安定性の弊のみが言われ原発代替の話は一向に出ない。国民は賦課金が原発代替に結びつかない裏切られた思いに打ち拉がれている。これが固定価格買取制度の一番大事な失敗である。


次に、再エネ賦課金が役に立っての普及ではなかったことが第二の失敗である。
太陽光発電コストは住宅用が17.5円/kwh、産業用が15.2円/kwhである。
太陽光が高いというのは大嘘で、FITが不要なほど安い。国が自ら正味コストで設置していたら国民の賦課金の負担は無くてもよかった。
更には、コスト補填が趣旨であるFITによる買取は、それ自体がコスト安価を否定する。その結果、自ら真実のコストを知れる企業や外国資本の大規模発電所が個人の住宅用を置き去りにして普及した。国民の負担する賦課金は、巨額な売電収入の0.03%しか賦課金を払わなくてよい総括原価方式の殆ど部外者の企業や外国資本に移転する。

FITの操作上の第二の失敗がFITの目的と願いを疎んじる第一の失敗を加速し、FITが働けば働くほど、その目的からかけ離れる自己矛盾の体である。

太陽光発電の普及は「コスト補填」よりも「コスト周知」の問題であった。
安いということが知られても、なお普及しないなら、国が自ら行えば済む。
FITは国が設置できない、個人の遊休スペースを有効利用し究極の自給が成る
住宅用太陽光や個人のプチソーラーにおいて意味があるその他の再エネは
その時々の電気料金と同額での買取に止め、民間の投資するに任せ普及の足りない分は国が正味コストで設置すればよい。
そうすれば住宅用太陽光等を除いて賦課金の負担は無くなり、国が直接設置する太陽光は電気料金の下げにさえ繋がる。

今後、固定価格買取制度は住宅用太陽光等に限定注力し、それ以外の再エネは時々の電気料金での買取に止め、普及の不足分は国が自ら設置し補い、それらの発電量で晴れて原発の代替が成れば、固定価格買取制度の起死回生が成るだろう。

FITの運用について、看過できない誤りについて付記する。
賦課金は単価で概括すれば、買取価格と回避可能単価との差額として算定される。電力会社が買取に要する費用は、電気料金25円で売るものを38円(2013年度住宅用固定買取価格)で買い取るのだからその差13円である。従って賦課金は13円相当で良いはずの所、回避可能単価は当然電気料金25円よりはるかに低いので賦課金の算定幅が拡大する。こんな阿漕なことが何故許されるのか。総括原価方式の中で引っくるめれば同じと安穏に片付けるわけにいかない。
太陽光発電の電気の流れの実態は、近隣を含めて捉えると余剰売電の自家消費に限らず殆どが地産地消であり、電力会社の発電所まで逆潮流しているものは一部である。自由化後は全てがそうなる。従って太陽光電気は末端価格、即ち電気料金25円/kwhの価値が既に備わっている。賦課金が回避可能費用12、13円/kwhを基準に算定されることは、電力会社は25円の価値あるものを12、3円で仕入れていることと同然である。
この差額が色々な問題を生ずる。
差額は、総括原価方式というブラックボックスの中で他の損失補填に流用される。回避可能原価で買い取っている限り、止まっていても回避できない原発の償却や放射性物質管理にかかるコストは今まで通り総括原価方式で補填されるからだ。痛まない電力会社をして個人需要家の痛みに鈍感にしFITの適正な運用の監督機能を果たす義務を怠らせる。さらに、誘引費用の負担者即ち賦課金を払う国民と、誘引される者即ちメガソーラー等設置者のギャップを不当に拡大する。誘引された企業や外国資本は濡れ手に粟で、誘引費用の負担は極小で殆ど総括原価方式の部外者である。そして、太陽光発電コストは電気料金の6、7割にも拘らず、グリッドパリティーを遥かに未達でコスト高との誤解を与え、導入にブレーキをかけるように働く。
かつてRSP法は、電力会社の再生可能エネルギー電気の利用義務がまずありきで、その派生で住宅用太陽光電気の買取があったが、その価格は競争的価格、即ち時々の電気料金だった。買い取ったものを同額で売るので賦課金は必要なかった。FITになって何故違うのかわからない。
FITを司る政府と電力会社の原発を継続したい思いと、FITの上記のような綻びの放置の存在事実は、原発継続のためFITを真反対に悪用する未必の故意以上である。

新電力の再生可能エネルギーの購入」に戻る。
エネルギーミックスパブリックコメントについて」に戻る。


(注)太陽光発電コスト単価は「太陽光の発電コストは15.2円/kwhと安い」参照



次の記事は、「温室効果ガス問題の出発点は何時」を読んで下さい。

2015年4月1日水曜日

固定価格買取制度で歪められる太陽光発電コスト

「太陽光発電はコストが高くて原発代替は無理」
とは、固定価格買取制度(FIT)に、かこつけた刷り込みである。
その嘘の高いコストを国民に払わせることまでして刷り込んでいる。
国民の原発廃止の願いを込めた、FITの賦課金でこのコストを払わせる。

太陽光発電コストは実は安くて15.2円/kw(注)であるがFITの買取期間20年を、大した検討もなく、そのまま設備の寿命(稼働年数)に横滑りさせ、33円/kwhなどとでっち上げている。

この嘘のコストの補填のためにFITの買取価格が高くなり、
その原資を国民が負担する賦課金が膨大となる。

国民は賦課金を誰に払うのか。太陽光投資する者に。
国民自身ならばまだよい。しかし、FITを通じて太陽光は高いと
思い込まされている国民の住宅用投資は未だわずかである。
政府に騙されず真実のコストを自ら知れる企業や外国資本に払う。
彼らは、巨額な売電収入に対し、コンディショナーの運転に掛かるもの僅かに0.03%の賦課金しか払わなくてよく、総括原価方式の枠の殆ど部外者だ。企業や外国資本に代わって国が自ら行えば正味コストで済むことを考えれば、如何に無駄な賦課金か分かろう。   

エネルギー種別コストを検証する発電コスト検証ワーキンググループは、太陽光の発電コストにこの嘘のコスト補填と利益を含めようとしている。住宅用17.5円/kwhのものが33円に、産業用15.2円/kwhのものが27円のコストにされてしまう。
成る程、このまま放置した場合の導入コストには違いないが、国がやれば正味コストで出来るところ、このように促進費を含めたものをエネルギー選択の判断に用いれば、取り返しのつかない間違いに繋がる。エネルギーの選択の判断材料としての種別コスト単価は裸であるべきだ。付随費用は全て、そのエネルギーが選択されて後追いで発生するものだからだ。
原発の殆どのドローバックが金銭で表せないことをよいことに、原発の申し訳の事故コスト包含を契機に他エネルギーにも同調を強いる、資格もない原発を土俵に上げようとする政府の原発に媚びる計らいである。

3.11直後、国民は原発が止めたいとの願いから賦課金を払い始めた。政府は選りにも選って、国民の原発代替の願いの賜物を、その願いは叶わぬと諦めさせるために、しっぺ返しに利用する。

太陽光の原発代替の芽を、政府は自分の失敗で、潰す。

とにかく、原発を止めないなら国民に、出鱈目な再エネ促進費(賦課金)を負担させないでほしい。負担させるなら原発をやめてもらいたい。


(注)太陽光発電コスト単価は「太陽光の発電コストは15.2円/kwhと安い」参照

次の記事は「固定価格買取制度の修正」を読んでください。

2014年12月10日水曜日

太陽光の発電コストは15.2円/kwhと安い


太陽光発電の良さを一言で言えば「一度屋根にとりつけ、払えば終わりコモディティー品」ということに尽きる。取り付けたら最後、日常はもちろん非常時においても端的にいうと金銭支出はもちろん何もすることはない。他のエネルギーは発電設備のライフサイクルの間、原燃料を仕入れ電気に替え消費者の元まで届けるまでに様々な作業や支出の繰り返しである。太陽光システムに不具合があればシステムを構成するコモディティーのモジュール数枚を取り替えれば済む。このことは、太陽光発電の評価しても仕切れないほどの長所である。この意味は、追々述べるとして、まずは発電の経済性から見ていく。

電気料金での割引回収期間

発電コストの経済性は各エネルギーのコスト単価(円/kwh)1kw発電するのにいくらかかるかにより比較されるのが一般的である。これは稼働期間にわたり、発電設備投資額や燃料費、維持費等総コストを発電量で除して求めた単価である。発電量に売上げ単価を乗じた収入全体が総コストに見合うその収入単価とも言える。もちろん収入支出のタイミングの違いを調整する時間価値は考慮される。これから発電設備を建設して発電し廃棄するまでのコストを対象にし既に発生したサンクコストは含めない。
政府発表の最新値は3.11の年、平成23年12月野田内閣国家戦略室コスト等検証委員会のもので、平成10年度時点で太陽光は33.4円/kwh、原発8.9円/kwh以上、水力10.6円/kwhLNG火力10.7円/kwh、石油火力22.1円/kwh、石炭火力9.5円/kwh、陸上風力9.9円/kwhと報告されている。これでは誰も太陽光発電をやろうとしない。
太陽光は資源が只なので設備が何年稼働するか即ち耐用年数がコスト単価を大きく左右する。
コストを考える上で、最大の難関を最後に持ってくるため、一旦この太陽光の耐用年数をフリーにした所で他エネとの比較の基準となる数値を、プロジェクト評価の一手法を借りて算出する。収入の売上げ単価に太陽光と比べたい他のエネルギーのコスト単価をあてはめ、何年稼働すれば太陽光総コストがその収入に見合うかを求める。
つまり、単価を求める時の結果のコスト単価を先に与え前提であった稼働期間を遡って求める。求められた稼働期間と推定される太陽光の耐用年数の大小を見比べることで、収入単価にした他のエネルギーとコスト比較が行える。
例えば求められた稼働期間と太陽光の耐用年数が一致するとみれば、太陽光と他のエネルギーは同等のコスト、短ければ太陽光のコスト高、長ければコスト小ということになる。尚、法定耐用年数と言わない限り、耐用年数と稼働期間は同じ意味で用いる。
プロジェクト評価法に正味現在価値法(DCF法)、内部利益率法(IRR法)、回収期間法、会計的投資利益率法(ARR法)があるが、其の内、耐用年数を必要としない評価法である、投資を回収する期間を求める割引回収期間法による。比較する相手のコストを収入としたプロジェクトと見立てその評価を通じて相手とコスト比較するわけである。
まず全エネルギー平均と比べることとし、電気料金を収入の単価に置く。つまり太陽光の総コストが、その発電量に電気料金単価を乗じた収入と一致する時の稼働期間を求める。
これは、グリッドパリティーのポイントとなる稼働期間を求めることと同じである。グリッドパリティーとはグリッドが送電網でパリティーが同等という意味で、既存の電力のコスト(電気料金や発電コスト等)と同等かそれより安価になることを言う。厳密には電気料金はコストに利益が乗っているが、後ほど耐用年数と一緒に考察することとする。
収入支出のタイミングの違いによる時間価値を調整するため、回収期間法でなく割引回収期間法なのである。発電収入が設備投資支出時よりも遅れることの一年ごと価値を目減りさせる割引率としてソーラーローンの利率2.3%を用いることができる。投資額の支払いが現金か借金かの選択は、借金でなくとも現金自体に機会損失、時間価値喪失があるので無関係である。ソーラーローンは長くて15年までしかないが、実際は固定買い取り価格、補助金で15年以前に回収してしまうので15年以降も2.3%を使用しても良いであろう。
利子とは一定期間のお金の貸借の対価お金の時間的価値であり、借りる人の信用だけでなく、お金を借りて作る対象物の価値によっても変わる。太陽光の場合、殆ど設備資本だけの目的ローンなので後者の要素が大きい。太陽光のようにリスクが低く価値が高い対象物ほど貸すお金の時間的価値、換言すれば時間あたりお金の稼ぐ対価、即ち金利は低くてよい。借入金利は対象物の価値と相補的となるわけである。太陽光は「一度屋根にとりつけ、払えば終わりコモディティー品」だから金利は低くできる。一方、原発や火力は先々の燃料調達等の取引でリスクが増し、また中央管理型エネルギーなため組織単位で実行するので企業としての資本利益率が要求される。日本企業の資本コストは借入金と自己資本の加重平均である5~6%になり、太陽光より遥かに高い。
また補助金や固定価格買い取り優遇等の制度は太陽光が今必要だからあるわけで太陽光の価値が高いことの反映であり、そのことを周知させるための制度でもある。

一家庭が屋根につける場合の1kw当たり平均的設備費用:
     40万円/kw (国内メーカーの場合、モニターを含む,消費税込み)
更新費:
     コンディショナー耐用年数15年。15年末支出発生。コンディショナーの費用は
     その容量(総出力より下目)に比例し、37,000/kw  
スペース費:    
     ゼロ
年間発電量(一定)
     1,100kwh(安全サイドに設定 参照 .C パナソニックの例)
電気代:
     25.2円
     平均的家庭の電気代26円/kwh から再生エネ賦課金等0.8円/kwhを
     除く     
資本コスト:
     現状ソーラーローン金利:2.3%
年間発電電気料金: 
       1,100kwh x 25.2 = 27,720
回収期間 : 
太陽光発電はほとんど当初だけの設備投資があり、途中のコンディショナーの更新費を除き期間中の支出は他のエネルギーと比べれば無いも同然である。
発電設備を作り耐用年数の間、電気を作り続け、その電気のコスト単価はというと設備費を耐用年数の期間にばらしたものであり、ばらす期間が長いほど安くなり、短いほど高くなる。今の電気代と同じになるところはどうかというと、電気を作り続けられる期間(耐用年数)にばらし、ばらした金額が今の電気代と一致し、ばらすことが回収にあたり、ばらす期間が回収期間にあたる。言い換えると、将来、毎年の発電電気料金(今の電気代で)の何年分が、今現在の投資額に相当するか。その何年を求める。
それを越えて電気を作り続けられれば、その超過分だけ今の電気代より安いといえる。このように太陽光発電の優越を回収後の超過概念から言う。単価を求めることは、後ほど耐用年数を考察した後に、それを基に行う。

コンディショナー:  15年後更新
  15年後に支出する更新費を今現在持って貯めておくとすると年2.3%で割戻した金額
  37,000/1.02315乗)=26,307
維持費(定期点検費):
   4年に1回1万円 35年間稼働とする 8回支払い
   現在価値(2.3%割引) 54,290
廃棄費 : 
   建設費の5%  400,000  X 5%=20,000 35年後支出とする。
   現在価値(2.3%割引)   9,024円
費用の現在価値合計 400,00026,30754,290+9,024 =489,621円
資本回収係数:
    年間発電電気料金 ÷ 費用 = (1,100 x 25.2) ÷ 489,621= 0.05662
資本をX回の年金(毎年均等額)に散らすと一回分が資本の何分の1になるかという資本回収係数が上記の0.05662と一致する回数Xを求める。
資本回収係数 = 金利 ÷ (1-  (1+ 金利)のX乗)
      = 0.023÷(1- 1÷ (1.023)のX乗)
が 0.05662に一致する期間(X)  回収期間22年と11ヶ月(月数は補完法による)


他エネルギーの後発費用の物価上昇と太陽光の出力低下の相殺

最初に良さを一言で言えば「一度屋根にとりつけ、払えば終わりコモディティー品」といったが、だからこそ、上述した経済性においても、低利の融資、割引率に適う。維持費が殆ど不要で太陽がほっといても自然に発電してくれる。同じ再生可能エネルギーの水力や、風力では原燃料仕入れは無い点は同じでも、ほっといても発電はしてくれることはない。太陽光がそれが可能なのは、熱エネルギーや運動エネルギーを経由しないで、直接電気を取り出す発電方法だから振動や磨耗が無いからだ。燃料仕入れがない。つまり、コストの発生は端的にいえば、最初の設備設置の一回きりで、太陽光のコストは設備だけであり、生産機能は、生産設備で人間が運転するのでなくコモディティー物品に自然が行うのである。故障・不具合は保証による物品交換で片付く。
他のエネルギーの将来の維持費や燃料仕入れの物価上昇を考慮すると、先ほどの回収計算で現状電気料金25.2円を毎年アップさせる必要がある。仮に物価上昇率2%とし、他のエネルギーの資本費以外の将来に渡って発生する費用の割合を60%とするとに毎年1.2%電気代、つまり収入は上がり回収期間が短縮される。
太陽光の毎年の出力の低下については、寿命を考察する次節で述べるが、多めに見て年約0.8%で低下すると推定される。収入が決まる電気代の増加と出力の低下を相殺し差し引き0.4%だけ収入増大の影響を見込む。計算としては割引率を2.3%を1.9%に0.4%引き下げる。
資本回収係数 = 金利 ÷ (1-  (1+ 金利)のX乗)
      = 0.019÷(1- 1÷ (1.019)のX乗)
が 0.05662に一致する期間X  回収期間21年と9ヶ月となり、1年2ヶ月短縮する。太陽光の寿命が21年9ヶ月ならば、電気料金のコストと同じ、つまり全エネルギー平均コスト相当、短ければ太陽光のコスト高、長ければコスト小ということになる。
固定買取価格や補助金の制度が無くて、今投資して21年9ヶ月稼働すれば電気料金で引き取られる限り損はしないということであり、また21年9ヶ月を超えて稼働するなら電気料金を引き下げることができるコストの低い電源であることを銘記されたい。また、将来の太陽光投資については、コモディティー品の太陽光パネルの値下がりで、さらに回収期間は短くなる。因みにコスト等検討委員会は、累積生産量が倍増すると学習効果によって80%の進捗率で価格低下する学習曲線を当てはめ2010年時点48万円/kwの価格を2020年30万円/kw2030年23万円/kwと推定している。コモディティー品だからこそ期待できる価格低下であり、他エネルギーでは殆ど期待できないことである。

故障・不具合

さて本題の太陽光発電の実効の耐用年数、即ち寿命はどうであろうか。寿命を考える時大事なことは、故障、不具合と出力の低下の二つを切り離して考えることである。
まず故障、不具合であるが、太陽光発電は、他のエネルギーのように途中で熱エネルギーや運動エネルギーに変換しないで直接電気を取り出す発電方法である。従って可動部もないので設備に振動や磨耗がない。モジュール表面の汚れは降雨や風で自然に洗浄される。(4年に一回ぐらいの洗浄作業で1万円/kwぐらいの低コスト)従って修理保全というよりも、順調に発電をしていることをモニタリングする保守で、そして異常があれば施工業者の工事保証、メーカーのシステム、出力保証の枠内で新たな費用なく迅速に対応する管理が中心になる。遠隔地でも「エコめがね」等によりパソコン上でモニタリングできる。メインティナンスフリーではないし、確かに故障や不具合による修理や例は少ないが取替はある。
産業技術総合研究所の故障、不具合実態の調査、早期発見方法について調査研究を行っている。国内パネルメーカー各社の住宅用パネルを20044月に210システムに設置し、5年間で発生したパネルの交換をメーカー別に調べた結果、交換枚数で2%、システムでは210台のうち3割ぐらいのシステムで故障が発生した。システム単位ではけっして少なくはない。但し、故障不具合の度合いはメーカーにより歴然とした差がある。優れたメーカーCD、F社は交換枚数では0.5%以下、平均1台(システム)パネル27枚(出力4~5kw)のシステムでパネル1枚ぐらいを取替る故障でシステム台数では約1割。
現在設置するものは技術革新により2004年の設備より不良率は低減を続け、CDF社に近づいていると思われる。
メーカー
設置台数
交換発生数
交換発生割合
設置枚数
交換枚数
交換割合(%)
A
 61
  26
43%
1752
 41
2.3%
B
 53
  23
43%
1272
 40
3.1%
C
 39
   3
 8%
 936
  4
0.4%
D
 26
   3
12%
 832
  4
0.5%
E
 15
   8
53%
 405
 18
4.4%
F
 12
   1
 8%
 288
  1
0.3%
G
  4
   3
75%
 160
  4
2.5%
   合計
210
  67
32%
5645
112
2.0%
産総研は同様な調査を2006年から2008年に一般ユーザーの基に取り付けられた257台のシステムについても行っている。使用年数は古いものは10年程度から設置間もなくのものもある。産総研に設置したものよりも故障、不具合の発生がシステム台数で約半分ぐらいと少ない。
例えば電気を流す配線のハンダ付けの不良で電流の流れが悪くなる代表的事例では、パネルからコンディショナーや接続箱にくる電線にテスターを当て解放電圧を測るだけのメーカーや業者の通常点検では、設計電圧に近い値が計測されて断線が起きてない限り分からない。かといって電流量の計測は日照で変化するので決め手にならない。一般ユーザーの点検は発見し易い環境の産総研に比べ厳しくなかったので故障不具合に気付かずにそのまま使っているケースがあることが違いの原因と考察されている。
コンディショナーの場所で解放電圧を測るだけでは発見できない。屋根の上に設置されたら目視点検も限られる。況や赤外線カメラは無い。変色など見えない。パネルの表面に鳥の糞や落ち葉が付き電流抵抗が生じ発熱し所謂ホットスポットが出来パネルを破損や故障に繋がる。ではどうすればよいか。特に最小保証期間の10年間、シミュレーションの発電量からの年乖離度+0%前後からはずれどんどん低下していくものを業者、メーカーを巻き込み原因究明を行うことである。
抑制が起こっている場合、これ自体は故障・不具合でないので、この量を把握することがまず必要である。この量を把握切り分けた後の差異を監視し、対処することである。もちろん抑制が異常に大きければそれ自体、究明対処されなければならない。
ここでいう抑制とは、接続保留問題が起こった後の電力会社の意志的な出力制御を言うのでなく、次のように従来から通常に起こっているものである。電気機器の安全のため法律上、供給電圧は101+− 6v95107v)で管理される。売電の電圧は逆潮流させて送り返すため供給電圧を少し上回る電圧にコンディショナーでコントロールされる。余剰電力はまず数軒で1グループの近隣の住宅で使われ余った分が電線に流れていく。近隣の家庭の電気器具の安全のため、通常、売電電圧にも同じ最大107vという上限がコンディショナーの整定値とされる。近隣の需要が減った時、電力会社が高い範囲で電圧を管理していたり、売電量が増えた場合、電力会社の供給電圧が自然に上がり107vに接近し、これを売電電圧が自らの上限のため上回ることができなくなり、逆潮流できなくなり、コンディショナーは自ら発電を抑制するしくみになっている。電力会社によって107vから109vの範囲で整定電圧自体やコンディショナーの出口か引込み柱かの測定場所に幅があり、東京電力管内は109Vでしかもコンディショナーの出口で測定しており抑制は比較的少ない。中国電力は107vを譲らないので抑制の発生が多い。中国電力は原発の比率が一番低く、再生特措法の買取義務に当事者意識が低いことが原因と思われる。
筆者は設置後一年近く、瑕疵とも言える不具合で、業者に与えられた発電シミュレーションの8割ぐらいの発電を余儀なくされた。抑制量が把握出来ず、ずっと抑制のせいかと迷っていたことが災いした。業者も抑制のせいにして対応してもらえなかった。三ヶ月ぐらいして、発電量の少ない季節に入って抑制が止まった後も、発電量の不調は相変わらずなので、抑制が原因でないことに気づき、その後鳥の糞を取り払ったり、ストリング内の一部モジュールの影の影響か等と悩み続けていた。原因究明を訴え続けた末に業者がやっと動きメーカーに調べさせ、業者の下請け電気工事におけるコンディショナーの配線接続ミスとわかった。約一時間で直すと、見る見るうちにパナソニックの通常の実力どおり、シミュレーションを20%を超える発電が始まった。実に設置後10カ月経過していた。現在、保証方法について話し合いをしている。発電の不調が抑制によるものかどうかをまず、究明することが大事になる。
大事なことは、故障不具合は部品や製造工程、工事で起こった欠陥であり、発電量の変化に必ず現れること。発電量を監視することにより、保証期間中に顕在化できること。比べるべき正常な発電量は、地域別の天候によった月間発電量がサイト上に豊富にあり、パネルの出力、方角、角度等を補正し入手することが出来る。発電量低下を糸口に故障・不具合を確実に保証期間中に見つけて無償で直させること。それさえ出来れば使用可能年数を考える場合、経年出力低下のみ考慮し、これらの故障不具合は考慮外とできる。
ことほどさようにメインティナンスフリーではなく、メインティナンスローコストなどである。発電量の変化の見守りが主体となり、最悪、システムの中のモジュールの1、2枚を保証の範囲内で取り替えればよいという、取替法で済むためである。近年、耐久性能の競争が激化し特に製造技術、検査技術の進歩が急速で故障不具合の種は確実に減っている。
各社のモジュールの性能の優劣の決め手は製造工場の検査技術の精度が大きい。モジュールの出荷後、この検査の精度のバラツキを補完することが、設置者が自分で発電量監視することで出来るのが、太陽光発電の自給とも関連する画期的な優れた特徴である。

故障不具合の発見のため肝要なポイント
或る一ヶ月について
1. 抑制があれば、その発電量ロスを計測、推定する。
2. 同じ地域にある発電所の実発電の実績(抑制無い場合)を、出力、方角、角度、影の状態の違いを補正し、自分の発電所の発電量に補正する。
3. 業者から貰ったシミュレーションは用いない。
4. 2.と自分の発電所の実発電量(1.の抑制排除)と比較する。



稼働年数

故障不具合が除去されれば、後は寿命は出力の低下だけを心配すれば良い。ソーラーパネル表面が経年劣化変質などにより出力が徐々に低下する。
まず寿命を考える上で参考になる指標を列挙する。
・減価償却の基となる法定耐用年数:17年
  耐用年数省令別表第二「機械装置等」「電気業用設備」「その他の設備」「主として
  金属製のもの」17年を適用
・産業用固定価格買取期間:20年
・メーカーのシステム保証(モジュール、コンディショーナー、接続箱,架台):
                                10〜15年
・工事保証:10~15年
・海外メーカーの標準的出力保証:1090%2085%2580%
・パナソニックの出力保証:1081%2072%
・コスト等検証委員会報告書の2020年製造のモジュールの耐用年数:35年

・(財)産業技術総合研究所調査 出力劣化特性評価実験による出力低下の度合                     (%)
パネルの種類
10年後
20年後
25年後
単結晶
92.4 ~93.7
85.3 ~87.8
82 ~85
多結晶
94.5 ~95.5
89.3 ~91.1
86.8 ~89
CIS/CIGS
97 ~97.2
94.1 ~94.5
92.7 ~93.2
ヘテロ結合(HIT)
96.0
92.2
90.4
アモルファス
88.9
79
74.6

現在、例は少ないが故障不具合で全取替したものはあっても寿命を全うして廃棄したシステムの実例はあまり聞かない。古いもので順調に稼働している有名なシステムは以下である。
・シャープが1966年に設置した長崎県尾上島灯台の電源が48年経過。
・シャープが1983年奈良県壷阪寺の観音像の照明用電源として付けたものが31年経過。
1978年に稼働の始まった人工衛生の電力供給に宇宙空間という過酷な環境の中で36年経過。
・兵庫県神戸市六甲アイランドに設置し約15年経過。NEDO(技術開発機構)により目立った材料劣化はなく、仕様通りの出力性能(公称最大出力の90%)と絶縁性を有していることが確認されている。
1984年竣工の京セラの千葉県佐倉ソーラーセンター30年経過(25年経過時発電量9.6%低下)。

太陽電池は本格的に住宅用に設置されだして、まだ歴史が浅いので寿命を語るにはまだまだ実例に乏しい。期待寿命の科学的推定手法は、過去に製造し使用されているシステムの仕様と劣化の程度を現在製造しているシステムの仕様と比較したり、或は劣化加速試験とフィールドテストを比較考量する方法で行っている。太陽電池モジュール20年~30年、全体のうち値段的割合約10~15%のパワーコンディショーナーは10年~15年と言われてきたが、試験時間も要し製造時の故障不具合も排除しきれない。急速な技術進歩が進んだ今のものを考察してみたい。システムの寿命としては、先ほどの計算の通りパワーコンディショーナーを一回更新したとしてパネルの耐用年数に合わせる。
太陽光発電技術の確立期の30年以上前に製造されたパネルでさえ今発電している。故障、不具合を保証期間中に除去する方法、技術も確立された。発電効率とともに耐久性の向上に差別化を競った結果、出力保証80%)では25年のパネルも既に出ている。2014年末製造モジュールで既に35年間、出力70%ぐらいを目処に、稼働する性能を十分達成していると見るのが自然ではなかろうか。この出力低下は単価計算に織り込まれる。そうすると、21年9ヶ月で回収した後さらに約13年収入が続く。その現金収入全てが電気料金よりもコストが小さいから得られる。そして36年以降は家が無くならない限り使い続けるも廃棄更新するも設置者の随意である。出力低下を我慢すれば発電し続け、少なくとも、今の発電量の約4割の自家消費ぐらいは間違いなく発電するだろうから4割の経済性はいつ迄も残余利益である。償却は終わり、大した維持費は無く、置きっ放しで余剰を生んでくれる。

住宅用太陽光発電コスト単価(円/kwh)

耐用年数35年でコスト単価を計算すると
割引率をソーラーローン金利2.3%から、太陽光の出力低下と他エネルギー価格の上昇を相殺加味し、1.9%(2.3%ー0.4%)で割引く。
35年間毎年支払う均等額(年間電気料金)が今の489,612円に相当する当該均等額はいくらか(資本回収)を求め、それを年間発電量1,100kwhで除すとコスト単価になる。
35年、利率1.9%(2.3%-0.4%)の資本回収係数は0.03937  
年間電気料金 :   489,621 x  0.03937=19,276
19,276 / 1,100kwh = 17.5/kwh
住宅用太陽光は17.5円となり、現行電気料金、25.2円より7.7円/kwh安い。グリッドパリティーを十分達成し、その70%のコストである。

コスト等検証委員会(2011年12月)との比較


コスト等検証委員会
(平成10年時点)
本論文
耐用年数
20年
35年
建設費1kwあたり
48万円
40万円
コンディショナー1kwあたり 
6万円
3.7万円
コンディショナー更新期間
10年
15年
維持費(定期点検費)1kwあたり
4年に1回1万円
4年に1回1万円
廃棄費
建設費の5%
建設費の5%
割引率
%
2.3%
kwあたり発電量
1,000kwh
1,100kwh
     コスト単価
33.4円/kwh
17.5円/kwh

コスト等検証委員会(2011年12月)33円/kwhと前提の比較を示すが、建設費と耐用年数の違いが大きい。建設費の方は4年経過した下がりで説明できるが、耐用年数の20年は短すぎる。(検証委員会2020年時点の稼働年数は35年)太陽光は原燃料をフィードして運転する発電方法ではないので、低割引率の元では反比例的に稼働年数で発電コストが決まることは誰にも分かろうが、耐用年数が入念に検討された形跡はない。
5ヶ月後になるが、再エネ法施行に当たり2012年4月の固定価格買取制度の買取の価格と期間を決める調達委員会において、実態寿命を20年以上としながらも、買取期間と稼働年数と法定耐用年数(17年)の三つが何故か三位一体の論理帰結になっており稼働年数は買取期間と同じ20年とされた。尚、住宅用の買取期間はこの20年から家屋の譲渡可能性と余剰売電4割による短縮が考慮され10年とされた。
その後の同委員会、最近では来年度2015年の調達委員会(2015年3月)においても買取期間は変わらないので、コストを測定する稼働年数も三位一体なのか20年で見直されていない。
コスト等検証委員会と調達委員会は目的も異なる委員会であるが、時期さえ合えば太陽光発電コストとその最大の決定要因の稼働年数は同じはずである。そうであれば、来る2015年6月に決まるエネルギーミックスのためのコストを算定する 発電コストワーキンググループ(コスト等検証委員会に相当、2015年5月報告予定)も、新たな検討なく20年の稼働年数とするのだろうか。原発再稼動と輸出を止め再エネが代替できるかの瀬戸際の今こそ、太陽光の、今設備投資したらの稼働年数が決定的に重要なことがまだ分からないのだろうか。これでは、IRRをいくら計算しても意味が無い。コストが高い等の理由により、そのままでは普及しないから行う固定価格買取制度が先にありきで、それをやることが先に立ち、それに沿うように本当は電気代の7割(住宅用17.5円/kwh)と安い太陽光発電コストが高く歪められて決められている。何故か。政府が原発を継続したいからである。太陽光は賦課金を必要とするほど高コストであることを電気代の上昇を通じて国民に思い知らせ原発の代替を諦めさせたいのである。安いものを高く買い取ってコスト補填でないものを国民に負担させることをしてまでもである。現に、高い賦課金と10年に留まる住宅用買取期間から、太陽光のコストがまだ高くて原発と二者択一になり得ないと国民に思わせていることは紛れもない事実である。
買取価格を高くするのは、電力会社は総括原価方式で安心で原発安泰で願ったり、太陽光発電参入者はもちろん歓迎、負担する電気の個人需要家は賦課金はコスト補填と言われればそれまでで、稼働年数が短すぎると誰も文句を言えず、いとも簡単に出来るのである。高すぎる綻びは前政権の導入したFITのせいにすれば済む。
FITという手段が目的化し、その買取期間を稼働期間に横滑りさせ、ありもしないコスト高にし、FITの意に反して普及にブレーキをかける。さすがに産業人を騙せない。2014年9月、産業用が9割以上を占める接続保留問題を招来している。情報の非対称性の強い個人は 自らFITに誘引されるなど及ぶべくもなく、コスト補填と懸け離れた賦課金を産業人に移転するばかりである。住宅用太陽光は実際安く、高いからでなく安心感を与えられないから普及しないのである。国は再生可能エネをFITを任せ続けるのでなく、出口がいつか常に管理していなければならない。技術進歩は不断に行われているのだから、コストが競争的水準になるのを見極めて、安いことを周知徹底させる方へ転じる必要がある。稼働年数の保証を政府がしてもよいくらいだ。
安いことが周知されても尚普及しなければ、国自ら行えば良い。FITは国が出来ない個人所有の空いたスペースに電力自給のメリットのあるものに限定すべきである。個人に正確なコストを教えてあげることが大事なのに、FITを型通り与えて放りっぱなしで間接的に逆に嘘の高さを教えている。
FITを総括原価方式と合わせてやる時、誘引費用の負担者と受益者の乖離を招来しないことが、賦課金を喜んで払ってもらうために大事になる。誘引費用つまり賦課金の使い先の内訳にコスト補填と「馬の鼻先の人参」の二つがある。後者の方を問題として論じている。普及がなるとしてもこれを総括原価方式の枠の外部者が享受するなら個人需要家が負担する理由はなかろう。負担するなら自分で享受する他なかろうと言っている。
現に太陽光は競争的コストを下回り圧倒的優位なのだからFITを住宅用太陽光等に限定し、他は国や自治体がやることは今すぐできる。ドイツと同じ失敗を日本がなぞるのはお粗末の極みである。ドイツは原発の廃止を決めたから、まだ国民が収まっている。日本はドイツの原発廃止の方はなぞらないで国民の不満はいつか爆発する。とにかく、原発止めないなら、個人需要家に再エネ促進費の負担をさせないでほしい。負担させるなら原発をやめてもらいたい。放射能より先にCO2を立てるのはやめてほしい。

コスト等検証委員会(2011年12月)の原発のコスト単価

コスト等検証委員会は原発のコスト単価を、シビアアクシデントの発生可能性が顕在化したのでコスト算定にその費用を含めることとして「8.9円/kwh以上」と算定した。一つのモデルプラントについて、福島の数十兆円とも言われている事故費用を補正し下限値として5.8兆円と算定し、福島第一の1~4号機を除く50基が再稼働しその後40年間稼働した仮定の累計発電量で除し単価0.5円/kwhが織り込まれている。これは相互扶助の考え方をとったということで発生確率は曖昧であるが、とにかく50基全部が40年継続して稼働した発電量に達する間にプラント1基に1回、損害額5.8兆円の事故を見積もったことになるが、非現実的である。尚5.8兆円には高濃度汚染対策費用、除染により生じる廃棄物等の処理費用、生命・身体的損害、地方公共団体の損害を含んでいないことから下限とし、コスト単価を8.9円「以上」としており1兆円が0.1円/kwhに相当する。事故コストを含まないコストを8.4円/kwhと示し事故コストは単価で表すものでない、別掲するのがよい。ましてや、原発が事故コストも含めるから、他のエネルギーも事故コストを単価に含めるなど馬鹿なことはしないでもらいたい。事故の性質と意味が違う。尚、使用済み燃料の処理費用について、核燃料サイクルの破綻は織り込まれていない。もちろん汚染による土地喪失の子孫への賠償は織り込みようはない。
原発のドローバックはお金では表せない。これらを、運転コストとして表現しようとすること自体が無意味である。膨大なドローバックの一部のやっと金額測定できた事故コストを単価に含めて、原発は安い電源だとは国民を愚弄している。こうした結果で5円、10円、他エネルギーより安いからと言って原発の帰趨においてどう転ぶというのか。

送電コスト、調整コスト、利益に関する考え方

電気料金単価を全エネルギーコスト単価と見た計算の妥当性についてもう少し述べる。電気料金に含まれる利益はエネルギーコストの金利のようなものである。企業で集中型発電を大規模にやるからには資本のリターン、即ち利益が要求され単に余剰ではなく資本コストと呼ばれるコストである。再生エネ賦課金は電気代から除くように調整した。送電網や管理部門経費のコストが太陽光発電には見られていないのはおかしいと思われる人もあると思う。送電コストは電気料金26円/kwhの内2.7/kwh程と言われている。しかし、太陽光発電は分散型エネルギーでそもそも発電者即需要者で送電は不要である。実際面でも逆潮流し電線を流れるのは、自家消費されその後近隣の家庭で消費される残りの電気だけである。いざとなれば太陽光発電は民生用のみに産した所で使い、生活の方を発電時間に合わせることは原発をやめられるなら惜しくはない労である。況や蓄電池の技術が進歩し価格低下が真近に確実であるので、太陽光と蓄電池で一世帯の電気を分散完結することが期待できる。そうなれば送電は集中型の電源固有のもので分散型には不要のものである。太陽光発電のもう一つの系統連携コストの日射時しか発電しない不安定性に対して調整の火力発電のキャパシティーを余分に持つコストがある。原発と比較する限り無視してよい。なぜなら原発は昼夜一定出力しか保てないため、需要の無い夜も昼と同じ量を発電し続けなければならないという、供給過多が昼か夜かの違いで太陽光と同じ欠点持っているからである。揚水発電のコストか火力の調整キャパシティーを保持するコストかである。調整火力の必要性はキャパシティーの増加で発電量の増加ではないのでCO2は無関係である。むしろ太陽光のピークカットのメリットで原発を優越する。
これらの問題が吹き飛ぶほど、太陽光発電は安くて、究極の自給の電源である。


産業用太陽光の発電コスト単価(円/kwh)

 10kw以上で産業用となる。住宅用の屋根ほどには設置面積の制約がないことから、
 変換効率が多少劣っても圧倒的に価格の安い多結晶のモジュール或は海外メーカー
 のものを使用することが多い。また規模は、低圧電流に抑えるため50kwぎりぎりの
 総出力のケースが多い(プチソーラー)。屋根に付ける場合と違い単独の固定資産と
 なり費用として固定資産税が掛かる。スペース費は遊休地利用を前提にゼロとする。
   平均的設備費用:30万円/kw(家庭用モニターの代わりに産業用は「エコめがね」
                 遠隔用を含む)
   更新費:コンディショナー 47,000/kw→15年後支出の現在価値33,420
   スペース費:ゼロ
      所有する遊休地の有効利用を前提としている。FITで誘引する意味は、
      高コストの電源を住宅用の屋根と同じく国がやりようがない所有遊休
      土地の所有者に少しでも低コストで設置させたいという国民経済的
      動機がある。誘引費用に土地購入代を必要としない国民を施主とし
      普及を図るものである。これらの飽和を優先しさらに普及する時は
      国が国有の遊休地に設置すれば済む。
   維持費(定期点検費)
     4年に1回1万円 35年間稼働とする 8回支払い
     現在価値(2.3%割引) 54,290
   廃棄費  
     建設費の5%  300,000  X 5%=15,000 35年後支出とする。
     現在価値(2.3%割引)   6,768
   固定資産税:法定耐用年数17年での毎年期首簿価の1.4/100
      簡便計算として、取得価額300,000円の1/2の1.4/1002,100円を
      法定耐用年数17年の年金として現在価値を求め、取得価額に加える。
               29,270
   費用の現在価値合計 300,00033,42054,290+6,768+29,270
                              =423,748
   年間発電電気料金:
     年間発電量:1,100kwh(安全サイド)
     35年間毎年支払う均等額が今の423,748円に相当する当該均等額は
     いくらか(資本回収)を求め、それを毎年の発電量1,100kwhで除す
     とコスト単価になる。
         35年、利率1.9%(2.3%-0.4%)の資本回収係数は0.03937  
           年間電気料金 : 423,748  x  0.03937=16,683
           16,683 / 1,100kwh = 15.2/kwh

        産業用太陽光のコスト単価は15.2/kwh

官の支援後の回収期間

先に太陽光発電コストを電気料金で回収できる期間21年9ヶ月を算定したが、これは電気料金で売電収入があるか、自家消費により電気を購入しなくてよいか、或は両者の混合の場合の回収期間にあたる。実際には固定価格買取制度で電気料金よりも高く売れ、国や地方自治体の補助金で安くシステムが作れるように官の支援があるので、その回収期間はさらに短縮される。固定買取価格の算定方法は太陽光投資を促すよう内部利益率即ちIRRを一つの目処に算定されている。収入或は費用減少を電気料金を基礎としたプロジェクトのIRRは仮に耐用年数が21年9ヶ月であれば、用いた割引率の2.3%である。正味現在価値(DCF)が均衡、即ちゼロとなる時の資本コスト、割引率である。一般的なプロジェクトのIRRは5~6%であり、仮に耐用年数が22年2ヶ月とした時、このIRR2.3%との差に相当する金額が、電気料金へ上乗せされる形で固定買取価格が決まる。勿論、投資額は補助金相当は控除されたものである。

(1)住宅用の場合
 1kwあたり平均設備費用を補助金考慮して37万円(地方自治体 30,000/kw
    国は26年度は無し)とし、収入単価を固定買取価格37円/kwh(14年度)
    置き換える。 一家庭は屋根の一面につけ出力は平均3kwぐらいで、余剰売電
  (10kw未満)が一般的(参照(注4)制度)。日中発電したものから自家消費し
    残り即ち余剰を売電するもので、つまり、自家消費は売らないで日中の購入電力
    を減らすことにしかならないので上記の計算で固定買取価格37円でなく、
    電気料金25.2円となる。そして自家消費量がどれくらいかというと、煮炊き
    給湯暖房も自家消費かどうか、(オール電化かガス石油等)また家族構成、
  生活パターンにもよるが、3k年間発電量のうち約30%(*1)とみておけば
    十分である。 
  発電料金適用価格 37円(14年度固定価格) x 0.7 +25.2円 x 0.3 = 33.5
  年間発電料金  1,100kw x 33.5円=36,850円年間発電収入
  費用の現在価値合計 489,621円-30,000(補助金)= 459,621円       
  年間発電料金 ÷ 費用 = 36,850 ÷ 459,621円 = 0.08017            
        資本をX回の年金(毎年均等額)に散らすと一回分が資本の何分の1になるかという
    資本回収係数が上記の0.09154と一致する回数Xを求める。
                資本回収係数 = 金利 ÷ (1- 1÷ (1+ 金利)のX乗)
                        = 0.019÷(1- 1÷ (1.019)のX乗)                
                  が 0.08017に一致する期間 →        住宅用の回収期間は14年5か月
   が得られる。
    (*1)拙宅の実績:2.76kw出力 オール電化、4人家族30%~43%
      また、自家消費量が減る要因に、せっかくの売電量を増やそうと昼間の節約
      インセティブが働く。
  住宅用の固定価格による買取期間は10年だが、その後は最低でもその時の
  電気料金では売電できると考えてよい。

(2)産業用の場合(全量売電の場合)
   費用の現在価値合計 423,748
   年間発電電気料金:38,016円
      年間発電量:1,100kwh(安全サイド)
      売電単価:34.56/kwh(14年度固定買取価格+税)     
   資本回収係数:
      38,016円423,748円 0.08971 
   資本回収係数が0.08971になる割引率1.9%での年数は12年8ヶ月
   産業用の回収期間12年8ヶ月

35年から回収期間を控除した年数の期間における発電電気が余禄なのである。いかに太陽光の価値が高く国民に希求されているものか分かろう。




(注4)制度
出力
(コンディショナーの定格出力)
電流
法定定期点検

固定価格買取制度
補助金

届出

全量売電 或は 余剰売電
期間

50kw以上
メガソーラー
高圧
(自家用電気工作物)
10kw以上
(産業用)
選択可
20年
(2012.7
以降)

50kw未満
プチソーラー10kw以上

低圧
不要
(一般用電気工作物)
10kw未満
住宅用)

余剰
10年
補助金対象

補助金が住宅用だけなのは、ピーク時間帯の省エネ(自家消費減による売電量増のインセンティブ)、災害停電時の自給、屋根利用によるスペース費の無償化を官が促進するためである。

(注5)
2002年〜2009年まで、電力会社の再エネ利用義務の割当の制度--RPS法
2009年11月から、太陽光余剰買電制度の促進を計った。
2011年4月から、非住宅用太陽光までにに広げた。
2012年7月から、再エネ全般になり、余剰買電以外は買取期間が20年に延長された。
 固定価格買取制度の固定買取価格(円/kwh

 
10KW未満住宅用
非住宅用または10KW以上住宅用

単価
期間
単価
期間
2009.11〜2010.3
48
10
24
10
2010.4〜2011.3
  同上
 同上
 同上
 同上
2011.4〜
2012.3
42
 同上
40
 同上
2012.4
2012.6まで
  同上
 同上
同上
 同上
2012.7以降
  同上
 同上
40+ 消費税相当(3.2) (*1)
20
2013
38
同上
36+ 同上(2.88円)
 同上
2014
37(*2
同上
32+ 同上(2.56円)(*2
 同上
2015
33
同上
27 + 同上(2.16円)
 同上
消費税は8%で計算。特に表記が無いものは内税。
2002年RSP法施行 電力会社供給割り当て 買取単価 24円
2009年11月 固定価格買取制度 「余剰電力買取制度」施行
(*1)「再生可能エネルギー特別措置法」により2012年7月から10KW以上の発電システムに適用される全量買取の制度が始まる。    
(*2)設備の値下がりを反映して非住宅用及び10Kw以上は4円下げた。10kw未満住宅用は補助金の国と一部地方自治体が無くなるので1円の下げ幅にとどめた。